大和級対アイオワ級

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805名無し三等兵
今来たらいきなり書きこみが増えてる。

>>799
おっ。議論が戻って来た。

ここでもう一度議論したいんですが、散布界内での集束というのは命中率に
どのように影響を与えるものなのでしょうか?

何回か過去に出てきておりますが、現在残っておりますさまざまなデータを
見るにつけ、散布界は左右よりも遠近が5倍程度大きくなる傾向があるよう
です。この原因は各砲の砲口初速の差異にあると判断するのが妥当だと思う
のですがいかがでしょうか(それ以外の要因が斉射に関して、各砲ごとに大
きく異なるとは思えないので。ウェーキ干渉以外は)。

であるならば、斉射毎に散布界内でさらに集束を狙うという考え方は、各砲
の砲口初速をはかることができ、かつ各砲の弾着を他砲の弾着と識別できな
い限りかなり成り立ちづらいのではないか、と考えます。
実際帝国海軍は戦前の単艦での訓練時は各砲毎に違う色の着色弾を使用して
いたようですが、昭和16年以降や実戦では各艦が同一色の着色弾を使用して
いたようですし、各砲毎の弾着を見分けることが出来たとは思えません。ま
た砲戦距離が20000を超えると、測距儀ではそもそも色を見分けることが不
可能であったようです(それでも着色弾を使用したのは、観測機からの観測
時に有効と判断されたためのようです)。

何よりも帝国海軍自体が散布界の縮小についてはさまざまな研究をしている
ものの、散布界内での集束という概念についてはあまり研究している様子が
無い(私の不勉強のせいかもしれませんが)のは、帝国海軍も夾叉後の命中
については完全に確率に頼っていたということの証左ではないかと考えるの
ですが、いかがでしょう?
806woodstock:2001/07/04(水) 09:55
>>801-804
おもしろいですねぇ、非常に興味深いです。

ですが、気持ちはわかるのですが、艦砲による砲戦は通常は全砲門をもってする「斉射」
はいきなりはしないものです、まず「試射」が先。
これは「斉発」と言って第1回射撃で4-5発、第2回射撃で第1回で発射しなかった砲で5-4発、
これを数回程度繰り返す(空中には2-3回分の射弾が飛行していることになります。)
ことで「当たりをつけて」から、つまり夾叉乃至は命中弾を得た後「本射」に移るわけです。
こうすることで発砲遅延装置の無いアイオワであっても三つの各砲塔ごとに、
第1砲塔−左右砲、第2砲塔−左右砲、第3砲塔−中砲で計5発といった「斉発」を実施するこ
とになり(当然第2回射撃ではこの組み合わせで発砲しなかった砲で撃つことになります。)、
隣り合った砲弾の干渉を避けて散布界の拡大を局限し、バラツキをかなり押さえられるはずです。
9門同時の「斉射」であれば、その時はその図のようなPATTERNのALIGNMENTになりそうですが、
でも、それで当時の水準からはごく普通のPATTERNなのですから実用上問題があるといえるでしょうか?

確かに9門一斉射撃での命中確度は>>802大和のPATTERNがかなり有利なのは確かですが、
日本海軍ですらまず最初の射撃は「斉発」-「試射」を経た上での「斉射」-「本射」なのですから、
緒戦での優劣は遠距離で精度の高い電測をもってしても、ほとんど変わらないと思いますよ。