ルパン三世(旧)再放送やっとるよ。

このエントリーをはてなブックマークに追加
149トトロ200X
旧ルパンについてね、宮崎ルパンは駄目、やっぱ大隅ルパンがいいって意見最近大いけどね、それはちょっと短絡した考えだよ。そもそも宮崎駿は最初は関わっていなかった。大塚康夫が移籍したAプロ(東京ムービー内にあった)に宮崎・高畑も移ってきたが、彼らは別の番組を担当していた。ルパン三世は当時業界最高の受注額で注目され大塚康夫は30%は取れると自信満々であった。ところが放送が開始されるとなんと9%(これは宮崎の予測値)。驚異的な視聴率を誇っていた巨人の星の後番組だけにこれは大問題となり、演出家がテレビ局と衝突して放映中にも関わらず勝手に降りてしまった。そこで「ピッピ」が流れて手の空いた宮崎・高畑がピンチヒッターでする事になった。その後の方針を決める会議ではスポンサー、放送局から罵詈雑言の嵐が吹き荒れた。至上命題はとにかく視聴率を上げるという事で作業はスタートした。ヲタは自分勝手に内容を第一に考えて好き勝手言うが、そもそも番組はCMの添え物であり、視聴率が稼げない事にはスポンサーへの義務を果たした事にはならない。ルパン三世の原作に忠実なアニメ化という企画自体が間違っていたのだ。(原作自体の価値は別にして)その後再放送される内にルパンは人気が出てきて新ルパン、part3、各テレビ特番、映画と作られ続ける事になったのは周知の通りだが、これらの評価については言わずもがなであろう。ただこれらは宮崎・高畑が後を受けて最初のシリーズを作ったからこそ生まれた訳だし、新ルパンが大量に作られたのもそれなりに視聴率を稼げていたからだし、その基礎を作ったのはまぎれもなく宮崎・高畑である。(ただこのスレの連中は大隅ルパン以外は認めないだろう事は承知しているが)言っておくがTVアニメは商業アニメであり、アニメーターは会社員である。宮崎・高畑とて原作の持つ魅力とういうものは十分理解していただろう。しかしそのニヒルで冷酷な原作ルパンは一度失敗しており、同じ路線では続ける事はできない状況であった訳だ。大隅氏は原作のテイストで続けるべきと思っていたからこそ衝突し、自分から降りたのだろう。これは作家としては筋の通った態度であるが、責任を放棄しているとも言える。しかしアニメは個人で作っているのではない。その背後には沢山の外注スタッフがいて、彼らの生活がかかっているのだ。このような状況でスポンサーが満足せず打ち切りになるようなものを作り続ける事にどれだけの意味があろうか。かといってスポンサーの言いなりになってゴミのようなアニメを作る事は言語同断である。その制約の中でいかに良質なものを作りスポンサーを納得させるかが映像のプロとしての責任であり、腕の見せどころである。パンピー及び厨房諸君ならいざ知らずアニメ板の住人を自負するならば作品それ自体でなくその背後にあるものにも思い致す事もあっていいのではないかと思う。旧ルパンにおいての路線変更についてはこのようなやむなき事情がある以上、路線変更後の作風が自分の好みでないからと言って、それを作ったスタッフを責めるのはまったくナンセンスであり、自身の思慮の無さを露呈しているも同然である。
150トトロ200X:2001/05/01(火) 23:24
カリ城対マモーについても同様の事が言える。確かにマモーはよくできている。それに対してカリ城はキャラクターの基本設定だけを使った宮崎駿の個人嗜好が強い。しかし内容は一般人にも十分アピールできかつ、映画としての構成・完成度は高い。(もちろん原作ルパンの面影はこれっぽっちもないが)実はカリ城についてはこれも最初は大塚康夫が監督する事になっていた。しかし大塚は演出が苦手で当時そんな事をするエネルギーもなかったので(本人談)、宮崎氏にそんな事を愚痴っていたら、それを聞いていた宮崎氏が「じゃあぼく、やろうか」と言って監督する事になったのである。ここでも宮崎氏はピンチ・ヒッターである。もし大塚氏があのままだらだらと作っていたらその結果がどうなっていたかは想像するのもおぞましいものになっていただろう。そして今日、カリ城は金曜ロードショーで何度放映されたであろうか。そしてマモーは。カリ城はアニメを知らない一般人にも人気が高い。恐らく原作ルパンより多くの人に親しまれているだろう。それはそれで素晴らしい事である何ら恥ずべき点はない。原作テイストに価値がないと言っているのではなく、それらは違う価値のものなのだ。
151トトロ200X:2001/05/01(火) 23:25
恐らく宮崎が原作のテイストを変更し、そのノー天気なイメージが定着した事に不満を持っている方もいるだろう。(原作者もそうであるし)しかし、ではその時原作者は何をしていたか。商業マンガ家といえどクリエーターであり、自分の作品がいいようにいじられるのは快く思っていないはずである。しかしそれなら旧シリーズの路線変更がされた時に原作を引き揚げるべきであった。この点情報がないので分からない。しかしそれなら何故あのようなノー天気ルパンの蔓延を阻止しなかったのか。原作者は旧シリーズが終わった時点でアニメと縁を切る事だってできたハズである。この件についてはこれ以上の発言は差し控えよう。ただ私としてはこの原作者のルパン以外の作品を全く聞いた事がないのであるが、よくルパンだけで名声を確立できたものだと感心している次第である。しかも未だに現役であるらしい。
152トトロ200X:2001/05/01(火) 23:27
ナウシカ以降の一連の宮崎作品にしてもそうだ。一般の高い評価とは裏腹に、これらを非難する声も聞かれるし、それらの意見も分からないでもないが、しかしこれらはアニメ映画としてはかつてない工業成績を揚げ、客観的な評価も高いのは事実である。ここでも宮崎駿は立派にその責任を果たしたと言える。客がきてナンボである。ここでもまた一つのエピソードを紹介しよう。魔女宅は実はこれもまた最初は宮崎氏はタッチする予定はなかった。企画自体はジブリに持ち込まれたのだが、宮崎は若手の練習にピッタリだと考え、最初は若手のスタッフで進行していた。しかし、上がって来た脚本を見ると出来がよくなかったそうである。これは想像であるが、恐らくその内容では映画は失敗するのは目に見えていたのだと思う。そこで御大の出番となったようなのである。そしてその成果は言うまでもあるまい。当時の事はよく覚えているが、ナウシカ-ラピュタ-トトロ-魔女宅と公開されるに従い、最初町の隅っこの方の映画館でやっていたのが繁華街の映画館になり、客層も一般人の比率が高くなっていったのを目の当たりにして驚いたものである。これをもって商業主義と批判するムキもあろうがそれはそれでいいと思う。客が入らないマニアックな映画を作って自己満足とみじめさと借金を背負って生きるのもそれはその人の勝手である。それと作品に対して文句ばかり言う人はいったい何を求めているかと思う。金を払ったからといって望むものが全て手に入るなどと思っているのであろうか。つまる所映画というのは詐欺である。観客は映画の内容について金を払っているのではなく、単に入場料を払っているにすぎない。映画の質は100%保証されるべくもないのに! だからこそスカを掴まされると文句の一つも言いたくなるだろうが、それなら最初から映画を見に来なければいいのである。TVアニメも同じだ。番組に金を払っているのは視聴者でなく、スポンサーである。ネットで文句を言う暇とエネルギーがあるなら、それを何か別の方向に向けて見た方が、充実した人生を送れるのではないだろうか。などと2チャンで言うのもアホらしいが。

作品は好きだけど、別に宮崎信者じゃないよ。作品と人格は別と思ってるし。
でもこれじゃあ嵐だよね。スマソ(W