ガチンコファイトクラブ

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403風と木の名無しさん
あんたなんか大嫌いだ。
すぐ怒鳴るしけなすし何時も睨むようにこっちを見やがって。
だけど腕が上達した時
まるで犬を褒めるみたいに頭をぐしゃぐしゃと撫でられて
それから――、初めてあんたに抱かれた時も。
あんたなんか大嫌いだ。だから優しい顔なんて見せんなよ。


「ありがとうございました、師匠」
嬉しさの余り思わず口からついた言葉。
絶対言うまいと思ってたのに。こんな風に笑う事さえ厭だったのに。
そしたらあんたがまた俺を犬みたいにぐしゃぐしゃと髪を撫でてくれたから。
大きなその背中に、後ろから飛びつきたくなったなんて
絶対言わない。負けたみたいで悔しいから。
404風と木の名無しさん:2001/07/30(月) 21:07 ID:8G79DxgI
「素直じゃないのぉ、お前は」
あんたがおかしそうに笑う。
うるせぇ。笑うんじゃねぇ。
頭を撫でようとするその手を払い除ける
「ガキ扱いすんな」
「ガキじゃろが」
ずっと背の高いあんたが俺を抱きしめる
「離せよ!」
「本気で離すつもりならワシだって殴り倒せるじゃろ」
かぁぁ、と頬が紅潮する。
「あんたなんか嫌いだ」
「知っちょる」
「俺はもうプロなんだからあんたなんか必要ない」
「そうか?」
なんだよ、その余裕の笑みは。
本当に何処までムカつく奴なんだよ、あんたは。
405風と木の名無しさん:2001/07/30(月) 21:07 ID:8G79DxgI
「狂犬が偉い成長したもんじゃ」
「狂犬って言うな」
「顔が赤い」
「・・・・。」
あんたなんか
くい、と顎を引き寄せられる
長身のあんたがかがんで俺の額にキスした。
「やめろよ」
「じゃあ払い除ければええんじゃ」
ぐいぐいと厚い胸板を押す
「全くきかんのぉ」
うるさい。あんたなんかあんたなんか
「!」
唇を塞がれる。
「・・・・。」
ぎゅう、と袖を掴んでしまう
唇を離したあんたはにっと笑う
「・・・・・。」
俺のTシャツの下に伸びるあんたの手。
あぁ本当にあんたなんか大嫌いだ。

だけど犬みたいに撫でられてほんの少し
くすぐったいような気持ちになってしまうそんな自分が一番厭だ。
だからあんたなんか大嫌い、だよ。