脅迫と買収でスパイ網作り、標的は在日朝鮮人
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北朝鮮の工作員が、在日朝鮮人を中心に、日本国内に「掩壕(えんごう)土台」と呼ばれる
支援者組織を仕立て上げ、工作活動を支援させていた実態が、原敕晁(ただあき)さん拉致
事件にかかわったことを認めた辛光洙(シン・グァンス)工作員(73)の韓国の法廷記録で
明らかになった。「土台」の一員となった在日朝鮮人関係者も、脅迫や買収によって抱き込ま
れた事実を認めている。拉致被害者の多くは、こうして作り上げられた“スパイ網”に取り込ま
れ、北朝鮮へと連れ去られた疑いが濃厚だ。
在日朝鮮人の多くは、北朝鮮に家族を抱えている。辛工作員が所属する朝鮮労働党の
特殊機関は、その家族に手紙を書かせ、写真を撮って、辛工作員に持たせた。協力を断れば、
家族に危険が及ぶ、という「脅迫」の小道具だった。辛工作員は日本に入るとすぐ、大阪市
生野区の在日朝鮮人女性を訪ねた。帰国事業で、北朝鮮に帰国した息子の写真と手紙を
見せられると、女性はあっさり自宅2階の一室をアジトに提供した。
佐賀県のホテル経営者からは「1800万円も借金を抱えて経営が苦しい」と聞かされたため、
すぐに大阪の協力者から金を調達し、1000万円を与えて、支援者とすることに成功した。
「持病の高血圧も治療できる」と誘い、辛工作員が協力者に仕立てた大阪在住の
在日朝鮮人団体幹部には80年4月、「日本人の身分を獲得するため、身寄りのない、
4、50歳代の独身男性を捜せ」と指示した。
78年6月、北朝鮮に拉致されたとして、支援者団体が兵庫県警に告発した神戸市のラーメン
店員田中実さん(失跡時28歳)についても、在日朝鮮人の男性(昨年7月死去)は、読売新聞
の電話取材に、「工作員によって支援者に仕立て上げられた在日朝鮮人の男が犯行に関与し
ている」と証言していた。 (以上、重要部分抜粋記事)