日垣 隆・総合スレ★15

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833無名草子さん
大石の最新作「ぼくらはみんな、ここにいる」。これがまたひどい出来である。

内容は30人の某中学校吹奏楽部が、合宿先の九州の小島で江戸時代にタイムスリップして
しまうという物語。荒唐無稽の筋立てだが、ある程度の筆力のある作家なら、そこそこ
面白い小説になるはずである。ところがである。どこまで読んでもダラダラしていて緊張感・
緊迫感というものが全く伝わってこない。小学生時代の作文指導でも、真っ先に「ダラダラ
と書かない」と言われた記憶があるが、悪い方の見本そのもの。

登場人物も全く魅力のない連中ばかりで、全く感情移入ができない。「死のうが生き延び
ようが勝手にして」という感じ。登場人物は多いが、キャラの書き分けが出来ていない
から、会話の部分は途中で誰のセリフか全くわからなくなる(別にわからなくても全然
問題はないが)。

文章の完成度も低杉。文のキレ、繊細なテクニックなんてものは、どこ探しても見つから
ない。とにかく文章が滅茶苦茶。どこでもいいが、例えば、p.113

>露出している部分だけで、200トンかそこいらの岩石がある。掘れば、削岩機なしでも
>相当の石が埋まっているだろう。

「掘れば、削岩機なしでも」が無意味。削除するか、生かすなら「掘れば、削岩機なしでも
相当の石が埋まっていることがわかるだろう」とか、「掘れば、削岩機なしでも相当の石を
掘り出せるだろう」とでもしなければ意味が通らない。

別に特別おかしなところを引用したわけではない。目に付いたほんの一部。とにかくこんな
調子の文章が300頁以上も続くのだ。読ませられる方はたまったものではない。

繰り返して言うが、日垣の悪口言っているヒマがあったら、少しは筆力のある作家の小説
でも読んで、その技術を盗めよ。