日垣隆〜喧嘩売ります・買います〜

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165無名草子さん
最後の資料として 9月13日の朝日新聞報道から。

 ●ユナイテッド航空93便 午前8時01分ごろ、ニューヨーク近郊のニューアーク空
港から45人を乗せ、サンフランシスコに向けて離陸した。東京都杉並区に住む久下季哉
(くげ・としや)さん(20)が乗っていたとされる。
 約800キロ西に飛んだ9時30分ごろ、突然、東へ急旋回し、機首をワシントンへ向
けた。
 そのころ、操縦士とみられる叫び声が無線で地上に届いた。「ここから出て行け」
 機内には、アラビア語なまりの英語が響いた。「こちらは機長。爆弾があります。着席
して静かにしていて下さい。彼らの要求に従っています。空港へ引き返します」
 生後3カ月の娘を持つニュージャージー州の男性は、妻に電話で「ほかの何人かと抵抗
するつもりだ。きっと命を落とすことになるだろう。いい人生を。娘を頼む」と言い残し
た。
 カリフォルニア州の38歳の男性は、機内から妻に4回電話をかけた。「ハイジャック
された。乗客の1人が刺し殺され、犯人は爆弾を持っていると言う。当局に電話してく
れ」
 最後の電話で、妻は「席に座って目立たないでいて」と頼んだが、覚悟を決めた夫は
「いや、だめだ」と言った。
 10時6分ごろ、93便はペンシルベニア州に墜落した。妻が電話を切った、数分後だ
った。
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なんか、読んでるだけで泣けてくるよ。
166無名草子さん:02/04/15 00:48
WTCの北棟ビル激突から、3機目の国防総省ビル攻撃まで55分。
4機目のユナイテッド93便の墜落まで1時間15分。

上の朝日のコピペは13日の報道で、問題の産経抄は15日掲載。当然日垣氏が斜断機の批判
記事を編集部に出した18日以前の報道。ここには書いて無いが、何しろ、最初の事件が発
生して1時間以上あって、その後の20日の産経の報道では、ひとりの乗客は、20分地上の
家族と話していたという下りも出てくる。常識的に考えて、家族はNYでの惨劇を「テ
ロ」という言葉を使って伝えただろうから、乗客はこれが特攻機だという認識を持ってい
たと、産経抄執筆の時点で認識すべきだろう。

この点において、日垣氏の産経抄批判の一つ、

>今からホワイトハウスに突っ込む予定である、などとハイジャック犯が
>乗客に正しく伝えていたと想定するのは、ばかげている。それに、もし乗客が
>テロ計画を知らされていたなら携帯電話でそう伝えたはずだ。

は、産経抄の以下、

> ▼「きっと命を落とすことになるだろう。いい人生を。娘をたのむ」、電話は悲痛な
>別れの言葉をのこして切れたという。そのあと同機はピッツバーグ郊外に墜落した。事
>実だとすると、犯人らはそのため標的のホワイトハウスに衝突することができなかった。

に懸かると思うが、別にハイジャック犯がそれ−ホワイトハウスに突っ込むこと−を乗客
に伝えていたという前提で斜断機の文章が構成されているわけではない。逆に、先述した
ように地上の家族から、目的がホワイトハウス他のランドマーク特攻だろうと乗客が教え
られた可能性は十分にある。よって、ここでの日垣氏の主張は全く破綻している。

>私が『テロ以降を生きるための私たちのニューテキスト』(p194−195)で書いたとお
>り、産経抄による「一部乗客が自爆テロ阻止のために機内で闘って集団自死を果敢にも
>選んだ」説は誇大妄想であることが一層明白となる。

まあ、ニューテキストでどう書いたのかの問題はあれど、上で書いたとおり、「一部乗客
が自爆テロ阻止のために機内で闘って集団自死を果敢にも選んだ」説は、全然間違ってい
ない。
というか、そもそも産経抄は、「捨て身になってハイジャック犯から飛行機を取り戻すこ
とを決意、彼らと格闘した」とは書いたが、それで乗客が「集団自死を果敢にも選んだ」
なんてことは一言も書いていない。結果的に集団自死になってしまっただけで、これは大
きな違いだろう。

>パイロット役のテロリスト以外、お仲間すらホワイトハウスその他に激突することを知
>らなかったのだから、乗客が自爆テロを前提として闘うわけがない。

従って、ここでの、パイロット役すら真の目的を知らなかったという前提条件が正しいか
らと言って−そもそも産経抄はそんなことを示唆してもいない−「乗客が自爆テロを前提
として闘うわけがない」という後論部分を補強する証明に全然なっていないと言える。乗
客は地上からのソースでそれを知ったのだから。
167無名草子さん:02/04/15 00:50
WTCビルからの墜落問題。

> 九月十五日の「産経抄」は、世界貿易センタービルから落下した男性が《爆
>風によって空中に吹き飛ばされた》のでも《火勢の恐怖からビル外へ落ちた》
>のでもなく、《テロリズムへの激しい抗議だった》との珍説を披露した。
> この爆風が卑劣きわまるテロによるものだと、男性が瞬時に気づいたと夢想
>するのは大変なイマジネーションだ。

確かに、俺もこれは珍説奇説の類だと思う。
ところで、ここで俺が注目しているのは、「男性が瞬時に気付いた」という下り。
産経抄は「瞬時」とは書いていない。示唆してもいない。つまり、この写真の男性が、ど
の時点でビルからの墜落を余儀なくされたのかは、実は記事からは判断できない。写真が
残っているということは、当然、激突からしばらく後のことだろう。だから瞬時で無いこ
とだけは確か。
たぶん、火勢の恐怖からやむなく飛び降りたのだろうが、WTCビルは、以前にも爆弾テ
ロに見舞われたことを考えると、あそこで働く人々には、頭にテロに狙われるかも知れな
いという恐怖はあって当然。だから、情報こそが命のあの金融ビルで、男性がいたフロア
の電気が全部落ちて、携帯も通じず、ラジオも持ってなかったとしても−それ自体、想定
としては難しいよね−、爆弾テロに殺られたくらいのことは発想できて当然だと思う。別
に、すご〜く小さなイマジネーションでも、その程度のことは思い当たるでしょう。−火
事だというアナウンス誘導はあったはずだが、それを男性が聴いたかどうかは解らない。
むしろ、それが発想できない、日垣氏のイマジネーションの貧困さの方が問題。

俺の感想を一言で言うと、あんた我田引水の誇大妄想が過ぎるよ!
産経抄が書いてもいないことを、頭の中で勝手に妄想して、行間を埋め、あたかも書いた、
あるいは示唆したかのような前提でこの人の批判全ては構築されている。それって、牽強
付会を通り越して、ただの妄想だろう。

ところで、俺は笑ってしまったんだが、この原稿ボツ事件の報告の最後には、こうある。

>皆様のご意見をお寄せください。

ナイ-スな態度だ。少なくとも読者のジャッジを求めているというジャーナリズム精神が溢れ
ている。ただし、「卑劣な腰抜けの匿名やHNはお断りします。また事実誤認の指摘であ
っても私は訂正はしません」と捕捉すべきだったね。>日垣さん。