http://www.fujitv.co.jp/sports/column2/kt_05/kt0208.html 忘れられる前に、シャラポワ現象を分析してみよう。
まず容貌だが、183センチのスレンダーなバディーは、テニス界ではそう珍しくない。
ブロンドの17歳というのも驚くようなことではなく、可愛いかというと難しい判断だが、
少なくとも、アンナ・クルニコワのような万国共通の美貌ではない。実は、こんなにシャラポワで
騒いでいるのは、いまのところ日本だけなのである……なぜだろう。
シャラポワの特徴は、必死さにある。観衆の目にはっきり見えるひたむき、青臭さ、それがヒンギス
やクル二コワとの大きな違いである。必死さの端的な目安としてあの唸り声であり、ひたむきに
なる理由も分かりやすい。唸り声はモニカ・セレスのほうが大きかったと思うが……。
1)9歳でロシアを捨てアメリカに渡った父娘の覚悟。
この件に関しては、やはりロシア出身のクズネツォワが、他のロシア選手との違いとして指摘していた。
2)綿密な育成プログラム
昨年、ウィンブルドンとマスターズ優勝、いきなりテニス界の二つの頂点をきわめた(これ以上はない)。
チームは彼女の素質を安定させる長期計画のもと、いまの目標を設定している。今回の東レは、
初のティアI大会優勝だった。
3)脱ロシアの後押し
女子の勢いはシャラポワに集約されそうだが、男子ではサフィンが全豪に優勝し、テニスのロシア
旋風は続いている。旧社会主義国内における資本主義傾向の象徴現象と捉えることができるものの、
国内には厳然としたロシア保守主義が存在。テニス界に置き換えれば、シャラポワは完全なアメリカ
資本主義志向で、反発はあるが若い支持者は多い。
以上のような背景に日本人固有のアマチュアリズム礼拝が重なった。オフの話題希薄な季節に、
ヨン様ブームへの飽きの気配も感じられるタイミング……この辺が今回の騒動の背景ではないだろうか