エウレカセブンとか

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佐藤大が所属するフロッグネーションの代表取締役。日本のテクノの草分け的存在。

渡辺健吾の「エウレカセブンにまつわる音楽のこと」

・ロボットの呼称がLFOやKLFだとか、世界を襲った大厄災がサマーオブラブだとか、
 それまで冗談なのかと思っていた設定が現実を帯びてきた頃、
 佐藤に結構本気で「やめといたほうがいいんじゃない?いくらなんでもベタすぎるだろ」と進言したこともあった。
 単に自分の好きな記号を並べただけになってしまうのではという不安と疑問があった。
・ダンスミュージック中心でという話が浮上した時も、一体それは誰が仕切るんだろうとも心配になった。
 戦略的に売り出し中のJPOPアーティストの曲が次々と主題歌に起用される作品で、
 ボーイミーツガールを描く日曜朝のロボットアニメで、そんなアングラな音が必要なのかと正直思った。
・監督と初めて会ったのはスーパーカーの解散ライブ。
 切羽つまった仕事を抜け出して来た彼は静かで控えめな印象だったが、
 音に対する秘めた情熱は少ない言葉の端々から伝わってくる。 メンバー自筆サイン入りのセットリストを握りしめて、
 会場出口のさよならメッセージを名残を惜しむ多数のファンに混じってカメラに収める姿が印象的だった。
・KAGAMIの曲を使いたいと監督から直接依頼があり、
 深夜のスタジオでプロデューサー陣を説得する会議に同席した時、
 監督はラジカセでその曲をフルボリュームでかけながら、
 曲の良さ、どうしてこの曲が必要か、どんな使い方をしたいか、僕らがビックリするほどの熱弁をふるった。
 追加予算は勘弁してくれという姿勢だったプロデューサー陣が折れるのに時間はかからなかった。
・グダグダになりそうだった挿入曲の制作は全面的に引き受けることにして、
 監督とも密に連絡を取ってだんだんと彼の思惑や訴えたいことが見えてきた。
 本気で好きなものでなければ血肉として骨を支えるものにはなりえないんだという思いに応えようと決心した。
・ようやく物語も中盤。これから自分が関わった曲がたくさん使われるかと思うとドキドキする。
 DJキョーダの手腕でそれがどんな波を生み出してエウレカの世界を彩っていくのかとても楽しみだ。