結局テクノは世界の何を変えたんだろう

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10TR-774
autechre / confield (テクノ / 2001 / UK)

音楽には優劣がある。
掲示板で見られる、ちょっとわかった気になった奴が産業音楽を叩くという愚かな光景は
置いといて、事実として、歌謡曲や(大半の)ロックに代表されるようなわかりやすい音楽と
理解するのにある程度のセンスや経験などが必要とされる本格的な音楽が存在する。
(稀にその2つを両立した素晴らしい才能が存在するがここではそれは例外と考え、
安易かもしれないが)その二元論でみた場合、このアルバムは完全に後者に属する。
このアルバムは多くの人に届けようという意志を放棄してしまっているのではと感じるほど
とっつきにくい、しかし極めて高度な音楽だと思う。
音楽のルールを無視するかのような不規則な展開の連続。「新しい」ではなく「違う」という感じ。
はじめてこれを聴いた時は全く理解できず、長期間の放置を経てやっと理解するに至ったから、
その時は嬉しかったけど、喜ぶのはまだ早かった。以後、他にもイマイチよくわからなくて
放置してあったものが次々に難なく理解できるようになるという体験は圧巻だった。
おそらく自分の中の「聴く」という行為が次の段階に移行したのだろう。(次はノイズか?)
音楽だけじゃなくてそこらへんの音でも音楽と等価に感じるようにもなった。
将来、自分の音楽遍歴を振り返ることがあるとすれば間違いなくこれは最重要作品のひとつになるはず。
GWでヒマだし音楽にドップリ浸ってみようかすら。なんて人はこれを聴いてみるのもおもしろいかも。
このハードルを越えれば素晴らしい体験が待ってます。
レディオヘッドの影響で有名になったから大きいツタヤとかなら置いてあると思う。
って、何薦めてんだおれ。とにかく素晴らしい作品ってことで。