自然言語処理スレッド その4

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238デフォルトの名無しさん
数学では,ある問題を解くために,その問題を別の問題に翻訳して,もとの問題ではなく
て翻訳された問題の方を解く,という方法がとられることがよくあります.A という問
題を解くために,B という問題が解ければ,その解から A の解も得られることが判って
いるような問題 B をうまく設定して,A を解くかわりに B を解くのです.このような
問題 B を見つけることを,「問題 A を問題 B に帰着させる」と表現します.B は以下の
例でのように単に A の言い替えにすぎない場合もありますが,面白いことには,B は A
よりむしろ難しい問題になっていることも多いのです.これは,問題がやさしいか難しい
かは必ずしも問題が解きやすいかどうかということと一致しない,ということでしょう.
多くの場合,解きたい本来の問題 A を帰着させる先の問題 B は A よりずっと抽象的
な問題になっています.これは,前の節でも述べた,抽象的な設定の方が数学的には扱い
やすい,という現象の現われと言えるでしょう.
もとの問題 A が一般的な(必ずしも数学で扱えそうには見えないような)問題で,そ
れを数学的な問題 B に帰着させているときには,A の数学化(mathem atization)が B で
ある,というような言い方をすることもあります.
一般的な問題を数学的な問題に帰着させる,つまりこの一般的な問題の数学化を行う
例として「ケーニヒスベルクの橋の問題」という名前で知られている問題について考察し
てみることにしましょう.
http://kurt.scitec.kobe-u.ac.jp/~fuchino/chubu/method-math-WS06.pdf