防衛省が年内をメドに選定する次期主力戦闘機(FX)について、米ロッキード・マーチンは21日、同社が推すF35に決まった場合は日本国内に製造ラインを設置する考えを明らかにした。
三菱重工業に協力を打診しているという。
ロッキードが選定後の具体的な計画に言及したのは初めてで、選定作業に影響する可能性がある。
F35のスティーブ・オブライアン事業開発担当副社長が21日、日本経済新聞に語った。
FXの調達機数は40〜50機と少ないが、「(日本が調達を開始する)2016年時点では年100機以上を生産する予定で、日本の製造ラインは42機で採算が合う」とした。
国内企業と組んで機体の組み立てラインを設置し、電子制御や素材、部品も段階的に日本で生産する体制にする見通し。
機体を運用する国に製造ラインを設置する手法は、イタリアでも導入している。
16年時点での機体価格は1機6500万ドル程度という。
F35は米英など9カ国による国際共同開発機。
敵からのレーダーにうつりにくいステルス性能などへの評価は高いが、国内企業の製造への参画割合や機体配備後の補修品供給などに課題があるとされていた。
ロッキードが協力して国内にF35の製造拠点ができれば、整備や補修など運用面での課題などが解決される可能性がある。
FXの候補はF35のほか、米ボーイングが推すF18、英BAEシステムズのユーロファイターの3機種。
3陣営は9月末にも防衛省に提案要求書(RFP)を提出し、年内にも機種が決まる見通しだ。
日本経済新聞(2011/7/22 0:24)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E0E3E2949A8DE0E3E2E5E0E2E3E38698E3E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000