【 課題 】和歌について考察する問題。
歌 ... こぬ人を待つほの浦の夕凪はやくやもしほの身もこがれつつ (定家)
これはかなり複雑なうたです。
人をまつとは「待つ」であり、「松」です。まつ帆だからです。松の姿に似た帆です。
もちろん松は浦の背景でもあります。浦は夕凪ですから心は風を「待って」もいます。
風はありませんから、待ってもこぬ人なのです。風があの人なのかそれとも帆船なのか
微妙です。浦は「浦」であると同時に心の「裏」であり、あの人(風)の気持ちを「占」なふ、
うらでもあります。
「焼くや」(やいているのだろうか)とは、恋に焦がれて身を焼いているのであり、
やくやもしほとは藻塩(自分)が陽にあぶられ、渇き、焼かれ、煙でいぶされ、さらに
煮られ、再び乾かされというような、製塩法の愛の地獄絵であり、身もこがれという
言葉には「藻」がここでも含まれています。製塩の煙は夕凪の浦に実際に漂って
いるのかもしれません。
以上のような、この歌に含まれる語とそれからくる連想をプログラムで表現しなさい。