黄文雄は「台湾は日本人がつくった」で、1880年代後半に劉銘伝の
率いる清軍が台湾原住民に大敗しまくった原因を清軍兵士のほとんどが
アヘン中毒者だったとするが、それは疑問だ。
なぜなら、当時の台湾原住民がアメリカから最新式の連発式ライフル銃
の供与を受けていた可能性があるからだ。
実際、明治時代後期の写真としてウィンチェスター・ライフル銃を持つ
台湾先住民の写真が、林えいだい編・梓書院・写真記録「台湾植民地
統治史」p.12に載っている。
さて、幕末(1860年代前半)に幕府陸軍はマスケット銃(先込式単発)を
制式小銃として輸入したが、1860年代後半に薩長は先込式単発ライフル銃
を制式小銃として輸入し、幕府軍のマスケット銃や火縄銃より圧倒的に
長い有効射程距離を活かして圧勝した。
もし、1880年代後半に劉銘伝の率いる清軍の銃がゲベール等のマスケット
銃なら、連発式ライフル銃であるウィンチェスター・ライフル銃を持つ
先住民には勝てないのも当然だろう。
土地勘があって戦闘意志・能力ともに高い台湾原住民がたとえ10名でも、
峡谷で連発ライフルで待ち伏せしてれば、土地勘のないマスケット銃の
1万の部隊が大敗しても不思議はない。(指揮官が信長クラスで日本の
戦国武士なら勝ったかもしれないが)