http://www.asahi.com/politics/update/0322/001.html 台湾が海難救助訓練など安保対話打診 日本は応じぬ構え
台湾の「国家安全会議」が日本政府に対し、自衛隊と台湾軍との間で、海難救助訓練の共同開催など計4項目にわたる安全保障対話を
実施するよう求めていることがわかった。台湾の同会議の元幹部が明らかにした。日本側は「外交関係がない台湾との公式対話はできな
い」(政府高官)として応じない構えだ。
台湾側の説明によれば対話は、(1)人道目的の海上救難共同訓練(2)軍事演習の相互通知(3)軍事教育機関の交流(4)反テロ活動
の共同協議――の4項目。日台間の信頼醸成を深めるのが目的で、中国を敵視するものではないという。02年後半から、会議関係者が
自衛隊OBなどを通じ、外務省や防衛庁の関係者と非公式に接触して打診している。
台湾と日本最西端の与那国島は戦闘機で数十分の距離にあるほか、付近に両者が領有を主張する尖閣諸島がある。台湾側は、偏西
風の影響を受けた領空侵犯など、偶発的な軍事緊張を避けるほか、領有紛争の際の危機管理などを目指すとしている。
一方、台湾側にはこうした対話を、日台間の本格的防衛交流の足がかりにしたい思惑もある。
これに対し、複数の日本政府関係者は「台湾側から様々な安保対話の要請が出ているのは承知している」としたうえで、「対話に応じれ
ば中国を刺激し、不必要な緊張を招く」として、対話に応じる考えがない姿勢を強調している。