62 :
美麗島の名無桑:
マジレスします。
台湾の人の親日には2つあります。
日本統治下(1895−1945)の50年間に日本教育を受けた人、特に物心
がついたときから日本教育を受けた人たちは、「親日」です。詳しくは蔡焜燦さん
の「台湾人と日本精神」をご一読あれ。
もう一つは、今のティーンエイジャーや青年たち。戒厳令が解かれ、日本文化が解禁
になった頃から思春期を迎えた人たちは日本文化に親しみを感じています。
しかし、その間の世代(今の35歳〜60歳)の人たちは、手放しに「親日」とは
いえません。戦後大陸からやってきた国民党の教育を受けた人たちは、
日本が統治時代に行った功績を教えずに、日本軍と戦った国民党の「抗日」
の歴史を教育してきたのが、大きいと思います。
とはいえ、本省人(戦前から台湾に住む人たち)は、親や祖父祖母から、
色々な話を聞いているはずなので、歴史の教科書をそのまま鵜呑みには
していない人も多く、「まぁ、色々とうるさいながらも、役に立つことも
してきたんだな」という感覚を持つ人も多いです。
65 :
美麗島の名無桑:02/10/21 03:21
日本国内の団塊の世代とほぼ一致するな・・
では、台湾の人(本省人)と韓国人とで、日本に対する感情の大きな隔たり
はどこにあるのか。
やはり、戦後、台湾にやってきた国民党による圧政が大きいと思います。
終戦後、武装解除の後にやってきた国民党軍(陳 儀)が、日本人と台湾人
とで築き上げた、安定した社会と政治を瞬く間に壊滅させ、そればかりでなく
台湾人(本省人)の命を奪っていきました。
その後、戒厳令を敷き、憲法を凍結させ、人口の16%しかいない外省人
が、本省人を支配し、近年まで独裁体制を続けてきました。
本省人曰く、「犬が去って、豚が来る」
本省人曰く、「アメリカは日本に原爆を落とし、台湾に蒋介石を落とした」と。
親日といわれる台湾にも、何種類かの「人種」が存在します。
@日本教育を受けた本省人
A日本(大衆)文化を受け入れる本省人の若者
B戦後、反日教育を受けてきた台湾の「団塊世代」
C戦中、日本兵と戦い、そして勝利した国民党軍(本省人)
しかし、世代交代が進み、最も反日的な外省人や親日的な本省人のJr.達は
「新台湾人」と呼ばれ、@とCの境が益々薄れてきています。
2000年に実施された総統選挙でも、台湾独立を支持する民進党の陳水扁が
当選し、中共人とも中華人とも違う、新しい台湾人像ができつつあります。
戒厳令が解かれ、台湾内での言論の自由が確保された'80年代後半より初めて
「親日」というメッセージが日本に届き始めました。
それまで周辺諸国に責め続けられている日本人にとって、「親日」という
初めてとも思えるメッセージに国民は少しずつ台湾に目を向け初めてきています。
しかし、台湾人全てが、「親日」というわけでは無いことは、日本人として
認識しておく必要があると思えます。
日中平和友好条約締結に伴う台湾との国交断絶に、絶望感を覚えた台湾の人はとても多い。
1970年代から始まった日本人男性による売春ツアーへの大挙押しかけに
眉をひそめる人も一部います。
日本政府による中国(共産党)への土下座外交、媚中政策や、李登輝元総統の
来日妨害工作に不信感を覚えた台湾人も多くいたと思われます(結局森元首相が条件付で
入国を許可しましたが・・・・)
更には、最も「親日」である日本教育世代の人たちが、勤勉さや高い道徳心を
忘れた今の若い世代の日本人に、ある種の失望感を感じているに違いありません。
悲しいかな、日本政府が中国共産党に媚を売るのも、経済上、止むを得ないのかも
しれません。安価な労働市場や消費市場の潜在性、更には核兵器を多く所有し、
そのミサイルを日本に向けつづける軍事力を考えれば、無視することはできません。
台湾のエリート層(官僚やベンチャー企業の若重役)は、日本以上に美国(アメリカ)
に目を向けています。もちろん、浜崎あゆみやSMAPも好きだけど、
留学先に選ぶ国はダントツでアメリカ、続いてイギリス、豪州。日本は4位
ながらもアメリカの10分の1程度。日本に対する親しみ以上に、アメリカ
への親しみが大きいのです。
中国が台湾に向けてミサイルを放った直後に、戦艦を向けたのはアメリカであり、
今後、もし中共軍が侵台を開始した際に、最も頼りになる国は、決して
日本ではありません。
ただ、日本人にとって、台湾という国(省)は、他のどの国よりも、居心地
がよく、親切にしてくれる国だと思います。
近所のよしみ、折角の仲良しですから、もっともっと、相手の国を理解しあって
平和で友好的な関係をいつまでも続けたいものです。
個人で台湾に旅行し台湾の人に親切にされたり、また日本に来る台湾の人に
親切にしてあげる。こんなことの繰り返しが、新しい世代における新しい信頼関係
を醸成するのではないかと思います。
最後に、
台湾について、最も尊敬すること。李登輝前総統。
私利党利を捨てて、台湾に民主化を導いた。
日本の政治は与党が不利になるような法改正は絶対にやらない。
直接選挙はおろか、一票の格差すら、与党が一致団結して改正することは無い。
その点、台湾人の意識の高さには脱帽する。
時々思うのが、李登輝が戦後日本に帰化し、日本で政治家となり、首相になっていればなぁ・・・・
と。
レスを長々と汚してしまい、すみませんでした。
それでは2ch-erの皆さま、おやすみなさい。