自分の作ったシナリオで他人にFLASHを作ってもらうスレ3
>>818-819 シーンB続き
「消えろとは云わない。」
今度はモララーが相手の言葉を遮った。
ごりっと槍をこねてウララーの体から引き抜く。声を殺して悶えるウララー。
モララー「すまなかった──。」
ゆっくり歩み寄るモララー。後ずさるウララー。
「おまえにはいろいろなものを押しつけてしまった。」
ウララーを抱き寄せる。ふりほどこうとするウララー。服が血染めになるほどしっかり抱き締めるモララー。
「もう逃げない。これからは全部俺が背負ってやるからな。」
微笑みながら語りかけるモララー。
どうやら自分(ウララー)の存在を否定したい訳じゃないらしい。
それどころかモララーが自分の全てを受け容れる気でいることを悟った。
なんだか毒気を抜かれていくウララー。
と、途端にそれまで安定していた精神世界の枠組みに異変が生じ、この真っ黒な空間は崩壊していく。
ウララーの精神世界が無に還り消滅していく。
(空間に亀裂が入りガラスみたいに割れたりとか、世界が白い光に包まれていったりとか、
それっぽい描写をする。)
モララーの腕の中で光の粒となって崩壊していくウララー。
その表情からは負の感情が消えていた。
崩壊していく世界の中で消滅していくウララーを最後まで見届けるモララー。
>>818-820 シーンCラストシーン。現実世界
晴れた空、広がる草原、様々な草花が生え花を咲かせている。そして墓石。
その前に佇むルシィア。
と、娘のシィレルが側にやってくる。両手に一杯の花を抱えて。
なにごとか話しかけるルシィア。満面の笑顔で応えるシィレル。
その花をひもで縛り花束にして墓に添えるルシィア。
墓石には「Gikoray=Ciedias」と名前が刻まれていた。
ふと視線をシィレルの後ろにやる。
視線の先には愛しい夫・モラウルが陽光を浴びて立っていた。
三人で野道を会話しながら歩いているシーンと共にスタッフロールやらクレジットやら。
>>818-821 モラウルは多重人格者。コウラルは彼の第二人格。
モララーが戦場でピンチに陥るとウララーが交代して彼を助けていた。
一旦、ウララーが憑依すると彼は狂戦士化する。悪魔のように残虐なウララー。
モララーの妻ルシィアと娘シィレルは優しくて頼りになる彼をとても愛していたが、
時々現れるウララーに恐怖心を抱いていた。
モララーも大きくなりすぎてそろそろ抑えきれなくなった己の狂気に危機感を抱いていた。
そこで隠遁生活を送る旧友で元・宮廷お抱え錬金術師のモナド・ショダイルに相談することにした。
しばらくはカウンセリング、催眠療法などいろいろ試していたが、
ここまでひどい症例だと焼け石に水だった。
それどころか下手に刺激すると却って危険だった。
困り果てたモナドは、禁制品の「彼岸の秘薬」を手にした───。
>>818-821 シナリオ提供ありがとうございます!
ここまで詳しく描写してあると、作る方も楽かもしれません。
バトルシーンは敷居が高いので難しいですが
ストーリーも丁度いい長さで完成度の高さを感じました。
824 :
818:2006/04/17(月) 18:39:40 ID:jq4lcJGI
恵味さん、ありがとうございます。
すみませんが、ちょっと変更したい部分があります。
ウララーが消滅する部分なんですけど、モララーがウララーを排除して消したみたいな描写になってるので、
そうじゃなくてモララーがウララーを受け容れ、取り込んで吸収したみたいな描写にしたいんです。
なんていうか拒絶して排除じゃなくて、和解して受け容れるみたいにしたいのです。
こんな感じに───
モララーの腕の中で光の粒となって崩壊していくウララー。ウララーの表情からは負の感情が消えていた。
壊れていく世界の中で消滅していくウララーを最後まで抱き締めるモララー。
やがて完全にウララーが消滅した後に残されたものは一掬いの光の塊(ウララーの魂魄)。
モララーはそれを手に取り、胸に抱いて目を閉じる。
やがてモララーを真っ白で眩い光が包み込んでいく。
「精神世界の崩壊に巻き込まれて両者は共倒れになったのでは!?」と視聴者に思わせておく。
でも、ラストシーンで生きてることが分かる。
墓石の名前がモラウルじゃなくて妻ルシィアの父とか他人の名前だってことから、
モララーが生きてることを視聴者は一瞬で悟る。
───みたいな感じにしようかと。
>>824 イイと思いますよ〜。
コウラルの墓でも面白い…かも?
ちょっと思いついただけなので聞き流して下さい。
ふと思ったのですが、
このスレではシナリオを投稿する人はコテを名乗るかトリップをつけた方がよいのでしょうか?
↑こんなふうに。
いや、みなさん便宜上コテをつけてらっしゃるように見えましたので、そうした方が善いのかなと。
コテつけるのに大した理由なんかないと思うぞ
つけたければつける
イヤならつけない
多分そんだけだろ
828 :
たむらけんじ:2006/04/19(水) 13:48:06 ID:ha8wP2Uk
全員死ね!!
東京で売れてる芸人皆死ねッ!!
829 :
骨付カルビ:2006/04/20(木) 17:46:45 ID:g6tH9lS1
>>814の続き。
世界の歯車
ギコが走っている。
モナー「待ってモナー。ギコー」
モナーは後から走って追ってきている。
しぃ「噂をすると…」
モララー「だな」
2人はクスクス笑った。
ギコ「おい。何笑ってんだゴルァ」
しぃ「なーんでも」
モナーがやっと着いた。
モナー「はぁはぁはぁ…。もう置いてかないでもな…。」
ギコ「これで全員集合!」
ギコは片手を挙げて叫んだ。
モララー「よく言うよ。」
モララーは呆れ顔で言った。そして4人はワールドネットに入っていった。<続く>
830 :
骨付カルビ:2006/04/20(木) 17:47:45 ID:g6tH9lS1
>>829の続き
あの時と同じようにギコは視線を感じた。今度は姿もちゃんと見えた。目は赤く、大きなかまを持った赤毛の女の子。大体10歳ぐらいの子…。ギコはみ間違えかと目をこすってもう一度みてみたが、女の子の姿はなかった。
しぃ「どうしたの?ギコ」
ギコ「な、なんでもないごるぁ」
ナレーター「このとき、とても恐ろしい出来事が起こるなんてだれも想像していなかった。」
<続く>
831 :
骨付カルビ:2006/04/20(木) 17:49:11 ID:g6tH9lS1
私のきぼうですが、ちょっと感想おながいします。改善する点とかあるかもしれないので…。わがままいってすいません
832 :
海:2006/04/21(金) 21:53:02 ID:HJs3p0vL
どうも。久しぶりです。
<涙の海>
しぃ「消えた・・・」
なんてこった。世の中甘くみちゃいけねーな。
しぃ「ギコ・・・」
ギコ「し、しぃ!?」
しぃの体が透き通って・・・消えていく・・・。いや、レモナと同じようにして消えていく・・・。
「あ〜ああ。君にとって一番大切な人がいなくなったね。」
聞き覚えのある声。振り向くとあの・・・モララーだ。
モララー「あれあれ?大切な人を放っといていいの?クス」
ギコ「笑い・・・ごとじゃねぇ!てめぇか!人を傷つけて・・・何が楽しい!」
モララー「ふ、愚かだな。俺はやりたくてやっているのではない。命令だ。」
<続く>
833 :
Now_loading...774KB:2006/04/22(土) 16:49:25 ID:2TYjK1dh
コテなど付けて申し訳ありません。対した作品では無いのですが。
自分の書いた小説なんですが、それをフラッシュにして頂きたく参上いたしました。
結構長いです。とりあえず、書いた小説そのまま投下いたします。
【相方販売】
甘い雲と辛い太陽。
山盛りの木と図鑑の虫。
せみの耳鳴りと、蚊の拍手。
踏みたい子供と犬の糞。
夏の風物詩を全部揃えたこの公園で、
仲が良いのか悪いのか。
はたからみたら、口喧嘩。
こんな真夏に何をしてんだか、青年二人が立ち話をしていた。
「おまえそれじゃあアイドルの引退だろうが!!」
「そして振り向く顔には涙が」
「笑えるか!!」
アイドルオタクの二人…ではない。
彼らは、芸の道に歩もうとする者。つまりお笑い芸人の卵なのだ。
真昼間から公園で男二人が立っているのは、他でもない漫才の練習だった。
「そして楽屋に帰ってから気づくんだ」
「何を?」
「あっ!!舞台にマイク置いてきちゃった」
「じゃあ置くなよ!!」
ネタは「新しい漫才の終わり方」とかいうものらしいが。
それにしてもこの二人…。
才能が無い。
練習を終えて、二人はファミレスに立ち寄った。
椅子に座ると、一人はたばこを銜え、一人はタオルで汗を拭く。
ここでこの二人を紹介しよう。
優しそうな顔立ちで、少し小太りな方が池松(いけまつ)。
キャシャな体に眼鏡をかけた方が高田(こうだ)。
池松がツッコミで高田がボケを担当している。
しかし、この二人のキャラクター。
そして、日常での会話はまったく逆である。
「なぁ、池松」
「んん?」
「俺達ボケとツッコミ変えた方がいいんじゃねえ?」
「えぇー?そうかなー?僕はこのままでいいと思うけどなー」
「だってさー、明らかに見た目逆だろ?」
「見た目は関係無いでしょ。ようは心だよ」
「だっておまえ優しいじゃん!!普段怒らないじゃん!!何でツッコミやってんだよ!!」
「高田だって、頭良いのに何でボケやってるんだよ」
「だからボケとツッコミ変えようって言ってんだろ!!」
ネタよりも普段の会話の方がネタに見えるこの二人
それにしても池松は、どうもやる気の無さを感じてしまう。
そして、高田は最近、コンビを組んで間もないというのに解散したいと思うようになっていた。
すでに夕日が沈みかけ、少し空気も涼しくなっていた。
池松と別れた高田は帰りにいつもの公園へと足を運んだ。
静かになった公園で、一人ベンチに座る高田。
考え事。物思いにふける。
お笑い芸人という、一般人からは到底理解できない職業のせいで、どうもアホらしく見えるが、
これも人一人の人生。
彼も安易にこの道を選んだわけじゃない。当然覚悟は決めている。
すなわち、コンビ解散というのも、本人にとってはとても重要なことなのだ。
「あいつとコンビ組んだのもこの公園だっけな」。
解散するのもこの公園・・・
「あぁー。他に変わりはいねーしなー。芸人やる奴なんて周りにいねーよなー」
周りを見渡す高田。公園にいるわけがない。
ため息。独り言。
夕日とともにさらに沈む高田。
死んだ顔をしてる高田を見て、たまたま犬の散歩をしていたおじいちゃんがそっと彼に声をかけた。
「元気をだせ。若者よ」
「…おじいさん」
「女なんてまたすぐできるじゃろ」
夜は更けこむのであった。
夜中。
自宅に帰った高田は、インターネットに没頭していた。
高田は自分のホームページを持っている。
そのホームページには、自分が芸人を目指していることも書いている。
池松にはこの事を教えていない。
毎日欠かさずやっている、日記の更新。
今日書いたその内容は、相方についてであった。
「8月3日 今日は公園で相方とネタ合わせをやった。やっぱりしっくりこない。実は前々から思っていたことだが、コンビを解散したいと思ってる。でも今の相方の変わりなんていない。誰か僕とお笑いやってみたい人いませんか?」
当然期待なんかしていない。
それにネットで知り合う奴なんて信用できない。
やはり今のコンビを続けていくべきなのかもしれない。
そんなことを頭がめぐりながら、いつの間にか高田は眠りについた。
夜中。
高田がすやすやと眠っている間、ホームページに一通のメールが届いた。
リリリリリリリィーーーン
「ぁぁぁあああああああ!!!うるさい!!!!」
ばっと高田は起き上がった。
耳鳴りのような音が鳴り響く。
セミの音ではない。目覚まし時計の音だ。
すでに時計の針は11時は指していた。
「…やばッ!!」
慌ててバイト先へと向かった。
高田のバイト先は弁当屋。暇な時はとことん暇なバイト。
「おう高田。休憩行ってきていいぞ」
店長に休憩をもらった高田は、バイト先のパソコンを使って、自分のホームページを見ることにした。何だかんだで、昨日の日記の反応が気になるのだ。
左手でタバコを銜え、一服。
そして右手でマウスを動かし、ホームページをチェック。
カチカチ
「あれ?」
高田は気づいた。
「メールが1通きてる…」
これはまさか!?と思った高田はすぐに内容を読んだ。
「こんにちは高田さん。いつも応援しています!(^^)!日記読みました。やはり芸の道というのはいろいろ大変ですね。相方を探してるそうですが、僕でよければ…というわけにもいかなく、すでに僕は就職してしまってるのですm(__)m」
少し落ち込む。しかしまだ文は続いていた。
「でも何かお役に立ちたいと思い、こんなものを見つけました。是非ご利用してみてはいかがでしょうか?」
文の最後にはURLが書かれていた。
タバコを消し、URLをクリック。
カチカチ
するとそのURLはどこかのサイトへとつながった。
今まで見たことのないサイト。
画面のTOPには、なにやら怪しい字体でこう書かれていた。
「あいかたはんばい?」
「相方販売」。相方を販売すると書いて相方販売。そのままだ。
相方を募集する掲示板ならいくらでもあるが、相方販売とは何なのか?
さらにその下には説明が書かれている。
「ここは今後のお笑い界を担う、芸人の卵のために作られた、自分に合った本当の相方をご提供するサイトです。」
「ははは。何だこれ?」
一見ふざけたサイト。
目的とは関係なしに高田の興味をそそった。
「おーーい!!高田!!休憩終わりだぞー!!」
「あ、はーい」
高田は先に進むのをやめ、パソコンを閉じた。
夕方。
バイトが終わり、約束していたネタ合わせをするために公園へと向かった。
しかし、公園には池松の姿はない。
予想はついていたが、一応携帯に電話をしてみる。
トゥルルルル トゥルル
「…はい」
「おい。今日ネタ合わせだろ?なにしてんだよ」
「あぁーごめん。風邪ひいた」
「ああ?風邪ひいた?ふざけんなよ。こっちはバイトで疲れても来てんだよ!!今から来い」
「また今度にしよ。じゃね」
ツーツーツー…。
電話が切れた。
「…くそ!!」
携帯を地面に投げつける高田。
始まってもいないのに行き詰った。
そして焦り始める。
帰宅した高田はまだ苛立ちを隠せないでいる。
部屋をむやみにうろうろとしながら、一人でぶつぶつ言っている。
「解散解散解散解散。んあーーー!!解散!!」
もう高田の中で解散を決めたようだ。
しかし…
「変わりがいねーーよ」
やはり、この難題がぶつかる。
「どっかに俺の相方いねーのかよーーー!!!」
そしてまた部屋をうろつき始めた。
「相方相方相方相方」
しばらくうろうろしてると、高田はバイト先のパソコンで見た、あのサイトを思い出した。
「ちょっと試しにやってみるかな」
高田はパソコンに電源を入れた。
カチカチ
「相方販売」
やはりふざけたサイトにしか見えない。
とりあえず先へと進める。
カチカチ
画面は変わり、いくつかの項目が現れた。
「入会」「購入」「解散」
入会をクリック。
カチカチ
「あなたの本名と性別、性格、ご希望の立ち位置(ボケ・ツッコミ)を記入してください」
自分の性格…。
「高田 雅文 男、几帳面、ツッコミ」
すらすらと書き込む高田。
性格を几帳面にしたのは、一度池松に指摘された事があるからだ。
そしてOKをクリック。
カチカチ
「では続いて、あなたのご希望される相方を選んでください」
「なんだこれ?」
画面には本物人間の画像と、その下に名前と性格、性別、立ち位置が書かれている。それをスライド式に見れるようになっていた。
「おもしれっ」
しばらくその「商品」を見ていると、高田の目に一人の男が止まった
「名前 山崎 徹 性別男 性格まじめ 立ち位置ボケ」
「山崎君か。この子いいな」
やはり今回のことがあってか、性格がまじめな人間を選んだ。
それにカーソルを合わせクリック。カチカチ
「料金は1万5000円になります。支払いはクレジットカード。もしくはウェブマネーでお願いします」
「金とんのかよ!!」
高田のツッコミがこだまする。
「なお、はじめてご利用の方は、サービスとして無料で提供しています。」
「無料って!!」
人を無料で購入できるなんて!! …という意味だ。
「まぁ試しに買ってみるか」
カチカチ。
「ご利用ありがとうございました。郵送は次の日にいたします。セルフサービスとして、出会いは偶然かつ自然に行います。」
しばらくして、また画面は「相方販売」と書かれたTOPへと戻った。
「…ん?終わり?」。
あまりにすんなり購入を終えた。
「デリヘルみたいなもんなのかな…」
また夜が更けてゆく
リリリリリリリリィーーーン
「ぁぁぁぁぁああああああ!!うるさい!!」
また目覚ましに起こされ、慌ててバイト先へと向かった。
時刻は10時40分。まだ間に合う。
「おはようございまーす」
「…」
返事がない。
どうやら店長は誰かと話してるようだ。
「店長おはようございまーす!!」
「おお。おはよう」
「どうしたんですか?」
「あぁ。今日新しい子が入ったんだ。紹介するよ。」
高田はその店長の隣にいる子の体を下から上へと見渡した。
どーこーかーで見た顔。
って山崎!!
そう。それはまさに昨日相方販売で購入した山崎徹だった。
「宜しくお願いします!!山崎徹と言います!!ご指導の方宜しくお願いします!!」
「…へ?」
「え?」
「あ、いや、よ、よろしく」
硬い握手を交わす二人。
高田の手は汗でびっしょりと濡れている。
「じゃあ、さっそく指導の方をしてくれ。まかせたよ」
「あ、はい!!じゃ、じゃあ山崎君こっちへ」
「はい!!」
まさか…この人が俺の相方になるのか?
お笑いに無関心そうなこの男。
いきなり相方になってくださいと言うわけにもいくまい。
そんなことが頭を巡るなか、先手は向こうが出してきた。
「高田さんって、お笑い芸人を目指してるってきいたんですけど、本当なんですか?」
これはもしや?
「え?あぁ。本当だよ」
「へぇー。すごいなー!!相方とかいるんですか?」
ん?これは誘ってんのか?っていうか何だこの甘い雰囲気は!!
「いや、いないよ」
「あ、そうなんですかー」
うーん。これは自分から言った方がよいのか…。
「も、もしよかったらさ」
「はい?」
「俺の相方にならないかい?」
当たって砕けろ!!
何か懐かしいこの気持ち。高田は中学時代好きな子に告白した、その時のことを思い出した。
あれは確かー
学校の木の下で、俺がずっと前から好きなだった子にラブレターを渡して、
ラブレターの内容は確か、君の事がずっと前から宇宙の果てまでなんたらかんたら…
「いいですよ」
「は?」
良き思い出のワンシーンから現実に引きずり出された高田。
「だから相方になるのOKですよ。僕ずっと前からお笑いに興味あったんですよー」
「マ…マジかよ」
「どうしたんですか?」
「あ…あぁよろしく!!」
すんなり相方を見つけることができた。
あのサイトは本物だった。
昨日注文したどおりの男が、今目の前に郵送されてきた。
こうして高田は新しい相方山崎を手に入れた。
バイトが終わりさっそく公園でネタ合わせをはじめた二人
「山崎君ボケできるかい?」
「はい。僕はずっとボケ志望でした。」
何もかもあのサイトで注文したとおり。
そして実にマジメ。この相方とずっとやっていこう。
悪いな池松
夜の空を見上げる高田。
池松の顔は遠い空のかなた…。
そしてネタ合わせは夜遅くまで続いた。
深夜2時。すでに住宅のライトも消え、あたりは真っ暗になっていた。
ネタ会わせは順調に…と思われたが、事態は変わっていた。
「だから山崎君。ここはこういうボケでね…」
「え?なんでですか?だっておかしいじゃないですか。アイドルでもないのに漫才が終わったらマイクを置くなんて」
「だから、これはそういうボケでね」
「それはおかしいです。ふざけてると思います。もっとまじめにやりましょう」
あれ?何かおかしいぞ?
池松の時とは別に、何かかみ合わない二人。
理由はただ一つだった。
深夜3時帰宅。
帰るやいなや、高田は床に寝そべり、新しい相方の感想を一言で述べた。
「まじめすぎる…」
そう。
ネタ合わせでかみ合わなかった理由はそれ。
「うーん…。違うんだよなー俺の理想の相方は」
自分の理想の相方と違うことに満足のいかない高田。
やはり、ネットで相方を購入するなんて間違っていたのか。
「…よしっ」
高田はパソコンに電源をつけ、またあのサイトへとやってきた。
「でも、もうコンビ組んじゃったしなぁー」
適当にサイトを眺めてみる。すると
「入会」「購入」「解散」
ん?解散?
解散にカーソルを合わせクリック。
カチカチ
「現在ご購入されている相方は1件です。 →山崎徹 解散しますか?YES NO」
このサイトは解散まで受け持ってくれるのか。
今のコンビでは納得がいかない高田を、またやむをえない選択をした。
「山崎ごめん」
高田はYESをクリックした。
カチカチ
「ご利用ありがとうございました。あなたの購入した山崎は無事削除されました。」
「でもまだ正式に組んだ訳じゃないんだから、向こうもわかってくれるだろ」
楽観的に考え、高田はそのまま眠りについた。
次の日のバイト
「店長おはようございまーす」
「おい。遅いぞ」
11時開店の店。
時間に厳しい店長は、10分前には来ないと怒る。
まだそれを知らない山崎は、おそらく時間ジャストに来るだろう。
「あれ?まだ山崎君は来てないんですか?」
「ん?誰だそれ?」
「いや、昨日新しい子入ったじゃないですか」
「はぁ?何言ってんだ高田」
自分で雇った人間のこと忘れるなんて…。
あきれる高田。
そして、時刻は11時30分をまわった。
「遅いな山崎…」
心配になった高田は、一応山崎に電話をしてみる事にした。
ピッピピ
「あれ?」
昨日交換した、山崎の携帯番号が登録されていない。
確かに昨日登録したはずだけど…。
「…」高田は昨日のサイトのある一文を思い出した。
そして急いで、バイトの名簿をチェックした。
しかし、いくら探しても山崎の名前は無い。
あのサイトに書かれていた一文。それは
「ご利用ありがとうございました。あなたの購入した山崎は無事削除されました。」
削除…。
バイトから帰宅。
高田は急いでパソコンの電源をつけた。
そして「人」が置かれた画面にいき、山崎を探した。
「…いた」
カチカチ
「山崎徹 再入荷まで後 3ヶ月」
「再入荷って…」
すでに気づいてる事だが、やはり山崎は削除された。
つまり存在しないものとなったのだ。
「なんなんだよ。このサイト…」
このサイトの不気味さにようやく気がついた。
「あぁーやめたやめた」
もうこのサイトはやらないと心に決めた高田。
しかし、また一人の男が目に止まった。
「名前 飯田 勉(つとむ) 性別男 性格よく喋る 立ち位置ボケ」
よく喋るか…。俺こういう相方と漫才やってみたかったんだよなー。
勝手に空想を描く高田。
「これで最後!!」
カチカチ
「料金は8000円になります。支払いはクレジットカード。もしくはウェブマネーでお願いします」
「8000円かー。まぁいいや。購入!!」
カチカチ
こうして高田は、また新しい相方を購入した。
次の日
バイトが終わり、住宅街を歩いていた。すると
…ドン
「おうおう。どこ見て歩いてんだおら。」
こいつは…
昨日購入した飯田 勉じゃないか。
「おいこら。黙ってないで何とか言えよ」
それにしても、なんだこいつは。
こんな奴とどうやってコンビ組めばいいんだよ。
そんなことが頭を巡るなか、またもや先手は向こうが出してきた。
「おい何とか言えよ。…っていうか歌えよ」
「いや歌うって…」
飯田はすごい形相でこっちを睨んでる。
「…」
まずい。条件反射でツッこんでしまったのが気に触ったのか。
飯田はゆっくりと口を開いた。
「…おまえ良いツッコミしてんじゃねーか!!なぁ。俺とお笑いやんねーか?」
「は?」
「だから俺とコンビ組もうぜ!!」
何か出会いが無理やりじゃないか?
「え?俺と?」
「あぁ。俺と一緒に芸人目指そうぜ!!それじゃあさっそくネタ合わせだ!!」
いつの間にやらキャラが変わっている飯田の事は、いざしらず、ネタ合わせは夜遅くまで続いた。
深夜1時 高田帰宅。
帰るやいなや、高田は床に寝そべり、新しい相方の感想を一言で述べた。
「しゃべりすぎる…」
どうやら、相方が喋りすぎて、自分が入る隙がなかったようだ。
「うーん…。違うんだよなー俺の理想の相方は」
またもや自分の理想の相方と違うことに満足のいかない高田。
そして、またあのサイトへとつないだ。
「今度こそ最後だ」
こうして高田はこのサイトの泥沼へとはまってしまうのであった。
それからというもの、高田は購入と解散を繰り返し、
そしてようやくとどまったのがこの相方。松崎君。
松崎君の性格は良い人。本当に高田とは気が合い、ネタ合わせも順調に進んだ。
やはりコンビは気が合うのが一番だ。
高田はそう思い、このコンビで続けていくことを決心した。
コンビ結成から1週間がたった。
「高田君」
「ん?なに?」
「これに出てみないかい?」
それは、漫才コンクールだった。
これは素人も参加できるコンクールで、これに出て好成績を出せば、事務所にスカウトされ、晴れて芸人への道に進むことができる。
遂にチャンスが訪れた。
高田は迷うこと無く、返事をだした。
「あぁ!!出よう!!松崎君」
目標ができた今、更にネタ合わせに励む二人だった。
コンクール当日
ネタも完成し、
高田にとって完璧な漫才ができるようになっていた。
前のコンビが出番を終えていくなか、しだいに緊張が増していく二人。
「あぁー。緊張するね。高田君」
「だね。松崎君」
人前でネタをやるのは初めての高田。
おちつかない様子で会場をうろうろしていた。
「そこで僕はいったのさ。君の持っているポテトの果ての姿が僕さ…」
一人ネタの確認をする高田
すると
トゥルルルルトゥルルルル
携帯に一本の電話がかかってきた。
なんだよこんな時に…。
ピッ
「はい」
「高田くん?」
この声は昔ナツカシの池松だった。
「この前のネタ合わせさぼっちゃって本当にごめんなさい」
「あ、あぁー。いいよ。」
「でさ、これからネタ合わせをやらないかい?」
「え?」
「新ネタを考えてきたんだ。まぁまた僕がツッコミをやるけどさ。じゃあ5時に公園で待ってるね。」
ツーツーツー
電話が切れた。
「今更言われても…」
すでに出番は目前と迫っていた。
「高田君!!」
「あ?なに?」
「最後に一度だけネタの確認をしとこうよ」
「あ、あぁ」
そして高田と池松は舞台前の最後のネタ合わせを始めた。
ネタは池松の頃とだいぶかわっていた。
高田のキャラは人気を狙いかわいいキャラになっていた。
ネタのテーマは「出会い」
高田と松崎が偶然ハンバーガーショップで出会うというネタ。
正直高田はこのネタを面白いと思っていなかった。
しかし、こっちの方が女の子うけもして、人気がでるかもしれない。
やはり、売れるには人気が出なきゃだめなんだ。
そう自分に言い聞かせる高田。
ネタの確認は進む。
高田はこのネタをやりながら、なぜか池松と出会った、あの時のことを思い出した。
あれは一年前、高田がたまたま足を運んだ公園に池松はいた。池松は公園の鳩を必死に追いまわしていた。しかし鳩はまったく逃げる様子も無い。そして池松は言う「諦めたのか?」すかさず高田は「なめられてんだよ」とツッコんだ。
今思うとあれは少し無理やりのような出会い方だった。まぁ出会いなどどうでもいい。
俺はあいつに可能性を感じただけだ。
あんな奴に出会うことはもう2度とないのだろう。
あいつ…面白かったなぁー。
でも、池松。
やっと手に入れたチャンスなんだ。
だから…。
ネタ合わせにはいけないよ。
ごめん。
心の中で謝る高田。
その様子を見て、松崎はそっと声をかけた。
「ネタ…面白くないかい?」
「え?」
我に帰る高田。
「このネタ面白くないかな?」
「え?そんな事ないよ…どうしたんだよ急に」
「高田君。僕とネタやってる時楽しそうじゃないよ」
「あ…」
自分の今の表情に気づく高田。
楽しそうじゃない…。
確かにそうかもしれない。
「自分でやってて楽しくなかったら、お客さんもきっと楽しいと思わないよ…」
松崎の言葉が胸に響く。
確かにそうだ。
自分が面白いと思わないものをお客さんにやるなんて失礼だ。
池松といつも笑いながらネタ合わせをやっていたのを思い出す。
「ははは。高田君それかなり面白いよーー」
「はは。これ絶対うけるよな。」
「はっはは。だってはは。高田君のその顔ははっはは」
「顔かよ!!」
確かに二人はかみ合ってなかったかもしれない。
漫才もぎごちなかったかもしれない。
しかし、
あの時の高田は、いつも自分達が一番面白いと思った事をやっていた。
自分でやってて楽しくなかったら、お客さんもきっと楽しいと思わない
高田は相方販売を通じて、いろんな相方と出会った。
まじめな奴、しゃべりのうまい奴、優しい奴…。
その中で一番、息の合わない相方は言うまでもなく池松である。
しかし、
その中で一番…一緒にやってて面白いと思えたのは
他でもない池松だった。
答えなど最初から出ていた。高田にとって最高の相方は…
「松崎君!!ごめん!!」
高田は走った。
「俺は間違っていた…
俺の理想の相方は、まじめなやつなんかじゃない。しゃべりがうまい奴なんかじゃない。俺と気の合うやつでもない!!
俺の理想の相方は…俺の理想の相方は!!
おもしれぇ奴だ!!」
真夏の炎天下の中、汗をだらだらにかきながら公園まで走る高田。
「池松。分かったよ。俺が本当に必要としてるのは
俺の最高の相方は…おまえだ!!」
すでに約束していた時刻より2時間も遅れていた。
しかし、高田はなぜか池松が待ってくれてるような気がした。
いつまでも、高田の隣にいてくれるような気がした。
いつの日か、自分達の芸を世に知らしめるその日まで…。
ずっと。俺と一緒に漫才をやっていてくれ。池松。
夕日はすでに沈んでいた…。
その日、とある住宅街の一角に
電気もつけず、ひたすらパソコンと向き合う小デブの青年がいた。
カチカチ
「あいつサボり癖あるんだよなぁー」
手馴れた手つきでマウスを器用に動かす池松
彼の瞳に映る画面、画面に映し出されてるのは人の画像。
「高田 雅文 性別男 性格几帳面 立ち位置ボケ」
「あいつはダメだな。消そ」
カチカチ
「現在ご購入されている相方は25件です。→高田雅文 解散しますか?YES NO」
「じゃね。高田」
カチ
「ご利用ありがとうございました。高田は無事削除されました」
「さてと。次はどんな奴にしようかな」
せみの耳鳴りと、蚊の拍手。
踏みたい子供と犬の糞。
夏の風物詩を全部揃えたこの公園。
誰もいないこの公園。
見慣れた光景である。
―完―
うおっ!!なげぇーーー。いざ書いてみると長いっすね。
ほんとすいません!!こんなん誰がフラッシュにしてくれるんだ…
すごい暇な方がいましたら、835から読んでフラッシュにしてくださいませ…。
誰かいるんでしょうか…
868 :
海:2006/04/22(土) 20:24:35 ID:Eqf+jLOV
>>832の続き。
<涙の海>
ギコ「命令?つーことは、お前がやったのか。誰の命令だよっ!」
モララー「お前には関係ない。俺というボスが、俺にへの命令を出したんだ・・・」
怪しい光がモララーの手から出る。
ギコ「最悪だぞ。そのボスは。」
モララー「からな、お前には少し黙ってもらう。」
バチッ
光が・・・俺は死ぬのか?
モララー「言ったろ。黙っててもらうって・・・。」
モララーが泣いていた。光は俺の前で止まっていた。
<次で終わりとなります。とりあえず続く。>
869 :
海:
ギコ「お前・・・?」
モララー「俺はお前を嫌いだった。・・・モナーを取られた気がして・・・。」
空の色が変わった。と、急に景色が変わった。・・・海?だろうか。
モララー「ここは『涙の海』ここに来た者の涙・・・いや、この世の涙が集まったようなものだ。」
ギコ「?それは・・・」
モララー「泣くという心でできた・・・海というより、湖だ。」
よく分からない。けど・・・この場所は・・・大切な所だと思う。
モララー「モナーは・・・俺の親友だと信じてた。でも、お前にモナーを・・・」
ギコ「取られたってことか。」
顔はよく見えない。泣き顔を見られたくないのだろう。
ギコ「お前はそれで・・・モナーやつーを・・・しぃまでも。」
モララー「死んではいない。殺そうとした・・・けど、殺せなかった。・・・ギコ、許さなくていい。すまん・・・」
ギコ「だからここに来たわけか。分かった。お前・・・寂しかったんだな。いい。もとの世界に戻ろうか。許す。だから。」
モララー「ああ。本当にすまん・・・」
この世がずっと・・・ずっと平和だったらいい
<完>