【雑談】何故か深夜に上るCafe【深夜Cafe】70杯目
寒くなると人恋しくなってダメだな…。
人恋しい時ほど、誰にも会えないのも、また然別。
コーヒーのカップに口をつけると、一つ深く息をつき、ポケットの煙草を取り出し火をつける。
店内は薄暗い照明。オレンジ色に近い明かりの中、しっとりとしたジャズが流れる。
誰もいない静かな時間だけが流れる。
吐いた煙りが宙に浮かび、消えていく様を無言でただ眺め、もう一度煙草を口にくわえ、その煙りを吸って吐き出す。
店内の空調は温かい。
けれど既に珈琲は少し冷めてしまっている。
珈琲にもう一度口をつけ、カウンターに肘をつき、カチャリと音を立てて、カップをおく。
耳に自然に入ってくる音楽に少し耳を傾け、煙草の火を灰皿で揉み消す。
入口付近にある適当な新聞を手にとり、さして興味もない記事に目を通しながら、珈琲を口へと運ぶ。
カップが空になると、金をその場におき、新聞を戻して店を出る。