ラブイチャ★遊園地【パールランド】エリア１２

ふふふ、楽しみ〜

（最前席に強引に高梨と乗り込む）

（既に身動き取れない）
お、お嬢様、私、ジェットコースターダメなんです
お願いですから降ろしてください
お願いします…お願いだから…

あ…動き…出した…

やだ、そうなの？
早く言わないとダメじゃない

（コースターがカタカタと坂を登り始める）
手を繋いでてあげるから大丈夫よ
（高梨の片手を握る）

だって、この、カタカタって音が！
（前を指差して）
ほら、あそこ！
あんな高いところまで登って、一気に…
（下を見下ろして）
た、高い……

お嬢様、怖くないんですか？
（手を握られたことにも気付かない）
高梨、もう…もうダメ…かもしれません…
（最高点に到達）

怖くないってば、楽しいのよ

（言った瞬間ものすごいスピードで降下し始める）

きゃーーーー♪

（楽しそうに声を上げる）

（それまで響いていたカタカタという音が止む）
ひっ！　お、落ちるぅ〜

（あっという間に急降下）
うぎゃぁぁーーー！
はぅおぉぉぉーーー！
（この世のものと思えない悲鳴）

あははははは！
高梨なによその声ー！

（余裕の表情で回転も楽しむ）

きゃー！すごーい！！

（隣の声は全く耳に入らない）
あ、あ、また落ちるぅーーーー

（回転に入るタイミングがわからず）
ぐぇっ、く、首が…
うがぁーーーあぅぅ…

（バックモードに入る為にレールを高く登って行くコースター）
あれ？　ゆっくりになってきた…
やっと、終わり？
（目の前でレールが終わっていることに気付く）
終わりじゃないーーー！
（最高点で一旦停止）
うわぁー、怖い！　こわいこわいこわい！
背中から…お・ち・る……うぎゃーーー！

きゃーきゃー！！！

（笑顔で大きな声を上げ心から楽しんでいる様子）

ガタガタガタン…（到着）

（焦点の定まらない目）
…お、終わり…です…か？
（動けないほど、ぐったりしている）

終わりよ
楽しかったわね
（最高の笑顔）

高梨、大丈夫？
（苦笑しながら先に降りて高梨の腕を引き降りるのを手伝う）

（引っ張ってもらい、降りようとするが、足がもつれる）
はぁはぁ、お嬢様…すみません…
うわっ！（よろけて、その場にへたり込んでしまう）
もう…ダメです……

あら、ほんとにダメだったみたいね
（しゃがみこみ高梨の顔を覗き込む）

次はフリーフォールに乗ろうと思ったのに…
諦めるわ
（悪戯っぽく微笑む）

フリー…フォール？
（少し考えていたが、突然気付く）
フリーフォールって、もしかして…
高いところから落っこちるヤツですか？
それは無理です！　絶対無理！！
今度こそ、お嬢様一人でお願いします
（立ち上がれないくせに、口だけは達者）

そう、高いところから一気に落ちるの

行かないわよ
高梨と一緒じゃなきゃつまらないもの
（立ち上がり髪を整える）

何か飲んで休みましょうか？

（両足を踏ん張って立ち上がるが、膝がぷるぷるしている）
それでは、何かお飲み物を買って参りますので
お嬢様、そちらのテーブルでお待ちください
（ふらつく足取りで、飲み物調達に向かう）

（笑いそうになるのを抑えて椅子に座る）

私、炭酸がいいわー
（よろけながら歩く高梨の背中に告げる）

（自販機の前）
炭酸…炭酸…
紅茶ソーダ？　ふむ、これは炭酸だな…ぽちっ…ガコンッ
すいかソーダ？　これも炭酸か…ぽちっ…ガコンッ


（テーブルの上に２本のドリンクを置く）
お嬢様、ご希望通り炭酸を買って参りました
どうぞお好きな方をお取り下さい

すいかソーダ？何これ、面白い飲み物があるのね
私こっちにするわ、高梨も座ってこっちを飲みなさい
（紅茶ソーダを取り、すいかの方を差し出す）

（座るように促され一瞬戸惑うが、外であることを再認識して）
それでは、失礼して座らせて頂きます

（差し出されたのが、すいかの方だったのでわずかに悲しい表情）
やっぱり、こっちは私が飲むのですよね…？

（いつもとは違う素の高梨を見たので調子が狂っているのか、一瞬の悲しそうな顔にほだされる）

…じゃあこれ、半分あげるわ
（もう口を付けた缶を差し出す）

（ちょっとのためらいの後、意を決してプルタブを押し込む）
プシュッ

ゴクン…
（一口飲むと口がへの字に曲がる）
こ、これは…
皿に盛ったすいかを食べ終わった後に残っている薄赤い汁の味です…
間違いない…皿に残った汁に炭酸を入れると、この味です

（紅茶ソーダを受け取り、代わりにすいかソーダを差し出す）
お嬢様も…どうぞ……

（こんなこと、高梨家では絶対しないのに…と思いながら受け取る）

…ゴクッ

…………まっずーい、何これ
（顔をしかめ少し笑う）

（交換した紅茶ソーダを口に含む）
うぅぅ、これも…
炭酸が紅茶の落ち着きを台無しにしています
でも…すいかソーダより、ちょっとマシ…かもしれません

（急にまじめな顔で）
お嬢様、今日はお付き合い頂き、ありがとうございました
やはり、お屋敷から外に出ると
私自身が執事であることを忘れて楽しむことができます
もちろん、お屋敷でお嬢様のお世話をさせて頂くことは
私にとっての誇りでありますが、
それゆえ、お嬢様にはご不快な思いをさせてしまうことがあると思います
先日も、お嬢様のお気持ちを知りながら、
あのような対応しかできなかったこと、
深くお詫び申し上げます

…………
（いきなり真面目に話し出した高梨を見つめる）

高梨…わたしこそ、ごめんなさい。
あなたが困るのをわかってて…あんなこと言って…
私って本当にわがままね

無理を言って、お嬢様を外に引っ張り出してすみませんでした
今日は、以前にも増してお嬢様との距離が縮まったと思います
明日からはこれまでと同様、お嬢様をお世話する執事に戻ります
ですから、今日だけ、もうちょっとだけお嬢様のおそばにいさせてください
お願い致します…

…無理なんかじゃないわ
私も凄く楽しいの。
（立ち上がり高梨の腕を引く）

ねえ、観覧車に乗らない？
高い所は大丈夫？

観覧車ですか？
観覧車なら大丈夫です
高くても、激しく動かないから…

（自分が前に出て、右手のひらを差し出す）
行きましょう、お嬢様

（嬉しそうに高梨の手に自分の手を乗せ握るが、すぐに腕に腕を絡ませ擦り寄りながら歩く）
遊園地なんだから、このくらい近付いてもいいわよね？

（手を引きエスコートする予定が、腕をからめ取られて）
お嬢様…

（一瞬何か言いかけるが）
…それでは、参りましょう

大きい観覧車ねー

こんなの貸し切りなんて、今日はやっぱり特別ね
（微笑み腕を組んだまま観覧車に乗り込む）

（組まれた腕を優しくほどき、向かい合わせに座る）

（非難するような目に対し、言い訳）
片側に２人で座ると傾いてしまいますから…

（腕をほどかれ一瞬高梨を睨むが、悲しい顔で笑い）
そうね、傾いて止まったら困るものね

（大人しく向かいに座り外の景色を眺める）

（次第に高度を増すゴンドラ）
高くなると遠くまで見えますね
お屋敷からは到底見えないような所までよく見えます

こちらからはどこを見ても住宅ばかり
いったいどれだけの人が住んでいるのか…

ほんとね…
上に行くにつれて灯りだけが見えて…綺麗…
（窓に手をつき下を見る）
沢山の人が住んでるのね。ここから見える風景にいろんな人の生活があるんだ…

（外を見ながら、そのままの状態で）
お嬢様もお綺麗です…

…………
（突然の言葉に顔が赤くなり窓の外から視線を動かせない）

いきなり変なこと言わないでよ…

（相変わらず、窓に向かって）
すみません…

でも…本心です
お嬢様は本当にお綺麗になられました
幼い頃から可愛いお方でしたが、高校生になられた頃から
お美しさに磨きがかかりました

私はそれをずっと見て参りました
これから先、お嬢様がどれほどお綺麗になるのか
とても楽しみでございます

（赤くなった頬を手で包みながら外を見て）
高梨…あなたひどいわ……


私はあなたに告白して…フラれたも同然なのよ？
なのにこんなに優しくして…さらにそんな…綺麗なんて…しかも思いっきり執事目線で言ってるし…
これ以上変に期待持たせないでよ…

失礼致しました…
（最高点まで到達したゴンドラはゆっくりと高度を下げていく）

…………
（窓から離れ、外を見る高梨を見つめる）

（立ち上がり両襟を掴みこちらを向かせ口付ける）

（ぼんやりと外を見ていたので対応できず）
んっ？　んっーー！

（肩をつかみ、慌てて離す）
お嬢様っ！
いけません…
そんなことをなさってはいけませんっ！

（離されるが高梨の胴に抱き付き下から見上げる）

高梨……。今日は本当に幸せ…
高梨のいろんな顔見れたし、こんなデートみたいな事できるなんて…
思いもしなかった…。ありがとう

お嬢様…
喜んで頂いてなによりです
それに、私自身も大変楽しゅうございました
もっとも、ジェットコースターには閉口致しましたが…
ときにはこのようなことがあっても良いものです
（地上に到着）

それでは、お屋敷に戻るとしましょうか
あまり遅くなると旦那様が心配なさいます

うん……
高梨、私、高梨への気持ち忘れるわ。
多分凄く時間がかかるだろうけど…努力す…
（言っている間に涙が流れてきたので後ろを向く）

（ゆっくりと近付き、肩の上にそっと手を置く）
お嬢様…
帰りましょう…

（涙を拭き微笑む）
ええ、帰りましょう、高梨

今日もこんな時間までお付き合い頂き、ありがとうございました。

一応、ここまでで一区切りついたかなという気がしますが
どうでしょうか？
毎回、一方的に私の都合で進めてしまったので、
やりにくい所がたくさんあったのではないかと思います。
それにも関わらず最後までお付き合い頂けたこと、
本当に感謝しています。
重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。

さて、明日からはまたお屋敷でお嬢様のお世話をせねば…

お嬢様、疲れさせて申し訳ありませんでした。
どうぞ、ごゆっくりお休み下さい。
とても楽しい一日をありがとうございました。

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