【飽和脂肪酸】ココナッツオイル【アルツハイマー】

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飽和脂肪酸「悪玉論」のウソ―過小摂取に思わぬリスクも

「飽和脂肪酸は心臓疾患の原因にはならない」――。
3月に発行された医学専門誌アナルズ・オブ・インターナル・メディシンに掲載された研究はこう結論づけている。
それは本当だろうか。何世代にもわたり、バターやチーズ、赤身の肉に含まれる飽和脂肪酸は
血栓の原因になるためなるべく摂取しないほうがいい、というのが食事に関するアドバイスの重点だった。
食事に気をつけている多くの米国人にとって、サーロインではなくチキンを、バターではなくキャノーラ油を選ぶことは習性になっている。

だが、この新たな研究の結論は現代の栄養科学に詳しい人にとっては驚きではない。
こうした脂肪が疾患の原因になるという確固たる証拠はこれまでもなかった。私たちはただ信じ込まされていただけだ。
個人の野心やいい加減な科学、政治、先入観などによって、過去50年の間に誤った栄養政策が取られてきたためだ。

飽和脂肪酸を悪者とする考えの起源は1950年代にさかのぼる。ミネソタ大学のアンセル・ベンジャミン・キーズ博士が
飽和脂肪酸はコレステロール値を上げ、その結果、心臓疾患の原因になるという説を主張したのが始まりだ。

それに批判的な人々は、キーズ博士は研究を行う際に、いくつかの基本的な科学規範に違反したと指摘している。
例えば、研究対象の国を無作為に選択するのではなく、自説を裏付けるような国だけを恣意的に選択したというのだ。
つまり、ユーゴスラビアやフィンランド、イタリアを対象に含め、オムレツをよく食べるフランスや、脂肪をたくさん摂取するが
心臓疾患の発症率が低いスイスやスウェーデン、西ドイツを除外したという。キーズ博士の研究対象の中心となったのは
クレタ島の農民たちだった。地中海料理として現在知られている食事は大部分が彼らの食事をベースとしている。
彼らは年老いても元気で、ほとんど肉やチーズを摂取しない。

だが、キーズ博士がクレタ島を訪れたのは第2次世界大戦後という特に窮乏していた時期で、
さらには肉やチーズを食べない断食期間も一部重なっていたため、飽和脂肪酸の摂取量を少なく計量した。
また、調査上の問題で、当初選んだ655人の対象者よりはるかに少ない数十人のデータに頼る結果になった。
こうした欠陥はクレタ島で調査した科学者らにより2002年になって初めて明らかにされたが、
キーズ博士の間違ったデータによる間違った考えは、その時までに国際的な定説となっていた。
 米心臓協会(AHA)は、当初はキーズ博士の説に懐疑的だったものの、1961年に飽和脂肪酸を悪者としたガイドラインを
米国で初めて発行した。1980年には米農務省がこれに続いた。