【vitamin】マルチビタミン8錠目っ!【mineral】

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550529
他スレ等へコピペされる人がいるようなので、>>529の内容を一部訂正させて頂きます。
内容的に間違っていたわけではありませんが、つまらないミスが転載されるのは恥ずかしいので・・・

今回のビタミンEの研究に動転する必要はありません。
ここには新しい情報など一つもありません。
ビタミンEを摂取した参加者に心不全のリスクが上昇した、という点も、
ジャーナリストが大げさに騒ぎたてるほどのものではないのです。

私はタフツ大学ジャンメイヤーUSDA栄養研究センター抗酸化研究ラボの
ジェフリー・ブルームバーグと共にこの研究結果について調べてみました。
このHOPE-TOO(以前のビタミンE治験HOPEの延長)と呼ばれる治験について
まず最初に知っておくべきなのは、参加者(平均年齢66)は全て
以前に心臓病か糖尿病を患った人ばかりで、各種の薬を服用してきたということです。

ブルームバーグ博士の指摘する所によると、この研究では当初肺ガンが28%も低下するという
驚くべき結果が示されていたのに、筆者らはこの点について厳密な統計的精査の必要があるとして
再調査を行い、その結果肺ガンが低下するという結果は消し去られてしまったのです。
しかしながら、この同じ再調査はビタミンEが心不全リスクを13%上昇させる
という点については全く適用されませんでした。しかも、ブルームバーグ博士が指摘するように、
プラセボを摂取していた参加者においても12.1%の心不全が起きており、ビタミンEを摂取していた
13.5%との差はわずか1%強に過ぎず、統計的に有意とは認められません。より重要なことは、
これまでの数多くのビタミンE摂取治験で、心不全のリスクは全く指摘されなかったことです。

HOPE-TOOの結果は2005年3月16日号のJAMAに掲載され、
当初は9541人の参加者に一日400IUのビタミンE又はプラセボを投与され
ビタミンEの長期的服用が癌や心血管疾患のリスクを軽減するかどうかを
見極めようとするものでした。治験は1993年から1999年にかけて行われ、
さらに2003年まで延長され、当初の参加者の半数以下が4年間の延長治験にも参加しました。

この結果を見ると、ビタミンEには癌や心臓病による死亡率、
致死性ではない癌や心血管疾患について、
「明白な効果はなにもない」ことを示しています。

この事は特に驚くには当たらない、とブルームバーグ博士は言います。
各種の心臓病治療薬などを服用している被験者に対して、
ビタミンを一種類投与したかしないかで明白な差異が見られるとは考えにくいと言うのです。
しかもこれら心臓病治療薬にはビタミンEと似た効果効能を持つものも多いのです。

ビタミンEは既に心臓病で治療薬を服用している人にとっては、
さらに追加して服用する意味はないのかもしれません。
しかしだからといって健康な人が服用するのをやめるべきだ、
ということは出来ません。
ビタミンEが抗酸化物質であり、心臓病、癌、アルツハイマー病を
引き起こす酸化ストレスに対して闘ってくれることは事実なのです。

私は、このビタミンEについてのHOPE-TOOの結果は重要であるとは思いませんし、
この結果によってビタミンEを摂取する健康な人々が心惑わされるべきではないと思います。
私は今回のメディアのセンセーショナリズムに怒りを覚えます。
殆どの場合、複雑に込み入った科学的研究結果がショッキングな見出しに煮詰められてしまい、
人々は必要もないのに警告されてしまっているのです。
さらに失望させられたのは、JAMAのような権威ある医学専門誌のエディトリアルに
こうしたセンセーショナリズムを煽るような内容が記載されていたことでした。
論文の詳細をよく読めばこうしたセンセーショナルな見解には
なんの根拠もないことが分かるはずなのですが。

アンドルー・ワイル博士