“引きこもり”に決別 安城竜part2

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40待った名無しさん
>>38前スレの1の記事
相撲の経験もない。体が大きいわけでもない。ただ、自分を変えたい。
外国勢や学生出身者が隆盛を誇る大相撲だが、中にはこんな動機で、裸一貫の世界の門を
たたいた新弟子もいる。

錦戸部屋に入門した小林優二(20)。
秋場所3日目(14日)の前相撲で、夢に見た両国国技館の土俵に上がった。
1メートル70、87キロの小柄な体は、152キロもある同期生の新弟子に簡単に
跳ね飛ばされるほど弱かった。
だが、「すごく怖かったけど、思い切り当たってスッキリした」と、その顔は晴れやかだった。
小林は、新しい自分の芽生えを感じていた。

愛知県安城市出身の小林は、自他共に認める「引きこもり、不登校」の子供だった。
入学した定時制高校にもなじめず、すぐに退学。
外との接触を拒絶する生活を過ごし、無為に年月だけが過ぎた。
そんな自分を変えたい、との思いは以前からあった。20歳を迎えるにあたり、昨年冬、
ひとつの決心をした。現役時代ファンだった錦戸親方(元関脇水戸泉)に、
「自分は体が小さいけど、部屋に置いてもらえませんか」と手紙を書き、入門を志願した。

入門後の現実は甘くなかった。慣れない大部屋生活に戸惑い、追い打ちをかけるように、
4月に受けた新弟子検査は、第2検査の運動能力テストで腹筋運動の点が足りず、不合格。
さすがに落ち込んだが、検査を担当した九重親方(元横綱千代の富士)から声をかけてもらった。
「もう少し頑張れば、次は大丈夫」。気持ちが晴れ、再挑戦を決意した。

この5か月間、部屋で毎日腹筋運動に明け暮れ、「今度が最後のチャンス」と決意して臨んだ
9月の検査で合格した。はたから見れば、ささいなことかもしれないが、今まで内向的だった
自分の姿が、「ちょっとは成長したかな」と感じ、少しうれしかった。
先輩との共同生活にも少しずつ慣れた。「兄弟子といろいろ話をするのが楽しくなってきました」
と、小林は前を見据える。この世界で頑張ってみようかと、今は思えるようになってきている。

(2004/9/15/14:05 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20040915ie03.htm