今日の朝日新聞スポーツ面のコラムより
-------------------------------------------------------------------
弱音吐かずカド番脱出
カド番を脱出した武双山は、弱音を吐かない力士らしい力士だ。
窮地に追い込まれたけがも、痛さのそぶりさえ見せなかったために
公傷と認められなかった。先場所5日目の旭天鵬戦で左ひじを痛めたが
表情を変えずに土俵から下りた。その後骨折が判明。平然さが裏目に出た。
悪いときには悪いことが重なる。今場所前、ぎっくり腰になり、
まともにけいこが出来ない状態だった。だが、すべてをのみ込んで臨んだ。
「今まで横綱に任せっ切りで気楽に相撲を取っていた。
これからは、自分が頑張って部屋を引っ張っていかなければ」。
部屋頭の武蔵丸の引退も重圧になった。
「初心に戻ろうと思う。負けても淡白なままではダメ。
そうすれば、落ちる、落ちないの緊張感ではなく、優勝争いの緊張感が
また味わえるようになると思う」。かつて「怪物」と言われた馬力がまた見たい。
--------------------------------------------------------------------