夢舞台 響け感動
2009年10月16日
■全日本吹奏楽、合唱コンクールに県内から9団体出場
第57回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)、第62回全
日本合唱コンクール(全日本合唱連盟、同)がそれぞれ、17日の大学部門(名古屋国際
会議場)、24日の高校部門(金沢市・金沢歌劇座)から始まる。両コンクールに九州代
表として出場する県内の計9団体の中から、福岡大学応援指導部吹奏楽団(福岡市)と
北九州市立戸ノ上中学校合唱部を紹介し、大舞台を前にした意気込みなどを聞いた。
■古豪復活、重厚に変身 福岡大応援指導部吹奏楽団
午後9時が近い。高校の教室ほどの広さの練習場でOBの花岡金光さん(50)が、白
いタクトを振っていた。創部50周年の今年、9年ぶり26回目の出場。古豪復活だ。
曲は不気味なムードで始まり、木管楽器が絡んで緩急をつけて進む。打楽器が加わり
音の競演が始まる。吹奏楽曲の最高傑作、難曲中の難曲とされるフローラン・シュミット
作曲の「ディオニソスの祭り」が、聴く側の心拍を乱すほどの勢いで圧してくる。
タクトが止まる。「違うんだよなあ、クラリネットが……」。花岡さんは穏やかに続ける。
「個性的な演奏を目指すんじゃない。シュミットがやりたかったことを表現するんだよ」
金管楽器のリーダーで4年生の用松(よう・まつ)小百合さん(21)が3月、「この大曲で
ないと全日本には行けません」と提案した。例年、「木管が活躍する上品な曲」(花岡さ
ん)で勝負してきたが、金管、木管、打楽器がそろって高いレベルを求められる「重厚」な
曲に半年をかけてきた。
練習は午後4時すぎから団員個々に始め、全体は6時から。土日は午後1〜8時。この曲で栄冠を勝ち取るため質量ともアップさせた。4
年の山崎宏則主将(21)は「新しい50年の始まり。金賞1位で飾ります」と静かに語った。
「クリアに!」「深いブレス」。譜面は書き込みがびっしりだ
=福岡市城南区七隈8丁目の福岡大
http://mytown.asahi.com/fukuoka/news.php?k_id=41000000910150004