屋比久サウンド健在 福工大城東高全国へ
指導歴40年の節目に花
福岡市の福岡サンパレスで20日始まった第50回九州吹奏楽コン
クール(九州吹奏楽連盟、朝日新聞社など主催)の高校の部で、福岡
工大城東が24回目の全国大会出場(前身の福岡電波、福工大附含
む)を決めた。指揮をしたのは、顧問で沖縄県出身の屋比久(やびく)
勲さん(66)。沖縄で指導者の道に入り、これまでに赴任校を次々と
全国レベルに引き上げた。この日も柔らかく洗練された「屋比久サウ
ンド」の健在ぶりをアピール、指導歴40年の節目に花を添えた。
屋比久さんは琉球大学卒業後、沖縄県内で教諭になった。26歳で
転勤した中学校で吹奏楽の指導を始めた。
当時は学校に楽器一つなく、生徒たちと古新聞や空き缶、草むらに
散乱していた米軍の薬きょうなどを集めて換金。県内各地の質屋を訪ね歩いた。米軍から払い下げられた楽
器がかなり出回っていた時代だった。
地道な指導が実を結んだのは沖縄が本土に復帰した72年。赴任5年目の真和志中学校(那覇市)で全国
大会に初出場、県勢初の金賞に輝いた。
福工大城東の前身、福工大附に赴任したのは90年。前任者の退職で、指導者を探していた学校から白羽
の矢を立てられた。
「高校の吹奏楽のレベルはかなり高くなっている。これからはテクニックや音質だけでなく、どこまで感動を与
える演奏ができるかが問われる」。部員たちと、より高水準の音楽を追究する日々を送っている。
「結果を聞くまですごくドキドキしたよ。本当に良かった」。表彰式の後、屋比久さんは満面の笑みで舞台裏に
現れ、九州代表の杯を抱えた部長の内田祐樹君(3年)と固い握手を交わした。屋比久さんの指導のもと、同
校が全国大会に出るのは11回目だ。
鹿児島県出身の内田君は「屋比久先生の音楽にあこがれて城東に進学した。先生の指導を信じて、全国大
会でも心を打つ演奏をしたい」と声を弾ませた。
(上原綾子)
(8/22)
演奏終了後、生徒たちと記念撮影する屋比久勲さん=福岡市の福岡サンパレスで
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