JUMP BATTLE ROYALE 2nd 感想議論スレPart4
241 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 00:45:07 ID:UO2BWbdw
AAがダメとなると、信頼の置ける人=鳥持ちはSz神しかいないな
Sz神も、無理って言ったようなもんだがな。
んーと、どこでだ?見当たらないけど
198がそうだという説がある。
>>198は自分です。混乱させて申し訳ない。
改めて管理人の件ですが、当方の諸事情によりお受けできません。
どなたかやってもいいという方、よろしくお願いします。
ゴメンなさい。
PCのデータが飛んで下書きが消えてしまった……
一旦予約破棄して再度書き直します。
…災難でしたね
AA氏は書ける作品は何があるんだ?
ここの書き手は以前に書ける、書けない、微妙と三つに分けて教えてくれたが
もし良ければ明かしては貰えんだろか
聞いてどうする? 書けない作品を君が書くの?
実際に書いてみないと、最終的に書けるかどうかは分からないので、知っている知らないだけで。
知ってる。
アイシールド21、I''s (アイズ)、こち亀、CITY HUNTER、SLAM DUNK、DEATH NOTE
テニスの王子様、ヒカルの碁、BOY、ルーキーズ
知らない。
いちご100%、ピューと吹く!ジャガー、ろくでなしBLUES、Mr.FULLSWING
ミスフルどうしたらいいんだよ……
神に縋るしかないのか・・
小鉄書いてるから何とかなるんじゃ・・
死体役にしてしまえばなんとかなる。
別にしたい役にしたいわけじゃないけどね
美鈴は修正無いがどうなるんだろ
一旦NGだな
まだ作者が書きたいのなら、修正の後新たに新作として投下したらいいだけ
人稲
やっぱり何がしかのネタが無いとな
ではネタ代わりに予約でも。
ピヨ彦、鈴音、香、虎鉄、つかさを予約です。
香以下二人についてはまたも自己リレーとなりますが、ご了承願えればと思います。
たぶん日曜までには投下できるんじゃなかろうかと踏んでいます。
遅れたらごめんなさい。
wktkktkr
263 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/29(木) 18:11:16 ID:cJ/3fGhU
?
ワクテカキタコレ
265 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 03:56:35 ID:nGVsSjSw
?
266 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/30(金) 15:55:42 ID:l/zm3rsD
今のところ予約が二つか
ここにしちゃ上出来だな
267 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/31(土) 22:43:49 ID:mv0kvAQg
二つ?
268 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 00:09:47 ID:3T90sUEO
/ ̄> ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄> ______________
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⊂__|_⊃
新作はまだかな
270 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/01(日) 16:09:39 ID:3T90sUEO
/ ̄> ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄> ______________
| > ̄((●)) ̄ ̄\~ / |⊃
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誰もいないな・・・
ピヨ彦と鈴音は、北西に向け進路を取っていた。目指すは北の集落、鎌石村である。
とにかく安西らの居場所を触れて回るのが目的だから、まず肝心の人を見つけなければならない。そのための鎌石村への移動だった。
二人は人目のつきやすいだろう車道を敢えて選んで歩いている。
何の遮蔽物もない路上をただ無防備に歩いていれば格好の標的となりかねないのだが、人を見つけるにはこの方が手っ取り早いかった。
なにしろこそこそ隠れながら捜していたのでは、そのぶん時間も掛かるし、面倒でもある。
また、そんな風に逃げ隠れしている人間が本拠地のことを告げたとしても、到底信じてもらえるとは思えなかったのだ。
そんな中、鈴音がちらちらと時計を気にしてばかりいた。
朝の放送まで残すところ3時間あまり。
その放送で学校が禁止エリアに指定されるのは確実だった。首謀者と思しき男の口から直接聞いたのだから、これは間違いない。
となれば、朝の放送が来た時点で学校は襲撃するどころか、そばに近づくことさえ不可能になってしまう。
鈴音はそのことを気に掛けているのだが、協力を頼めそうな人が現れてくれる気配は一向になかった。
「ねえピヨさん、本当に他の人って居るの? もう1時間近くになるけど、誰にも会わないよ?」
鈴音が不安そうに漏らす。
「いや、僕に言われても……。あの人たちの話じゃ、確かに居るはずなんだけどなあ」
「でも現に誰にも会わないし」
「うーん」
ピヨ彦は首を傾げてしまった。
名簿には60人近くの名前が記載されている。如何に島が広いとはいえ、そろそろ誰かが出てきてもおかしくはなかった。
「あんまり遠くまで捜しに行ってる暇もないんだよね。行って戻ってくるだけで時間食っちゃう」
「……とにかく、もうちょっと先まで歩いて行ってみようよ。もう少し行けば村が見えてくるはずだろうから。
それで駄目そうなら別のとこを捜してみればいいんだし、ね?」
「うん……」
そうして二人は冷たいアスファルトを踏んで行く。
ほぼ一直線の道。
傾斜をつけた月が、路上に二人の影を長く伸ばしている。
学校の近くは島の中央に神塚山があるため台地になっており、当然坂道が多いのだが、北に抜けるこの道も緩やかに海へと降っていた。
自然と鈴音のローラースケートが勢いをつけ、ピヨ彦も小走り気味に歩調を合わせる。
だが、どちらも気持ちは鉛を乗せられたように重かった。
何故ならこの様子では、どう切り詰めて考えてみても時間的にギリギリのところだったからだ。むしろ時間は絶対的に足りなかった。
余裕を持って考えるならば、準備にたっぷり丸一日掛けたって惜しくはないのだ。
しかし、それでは間に合わない。
なんとしてもあと数時間以内に協力者を見つけ、本拠地を叩く。でなければ自分達を含め、全ての人の命が助からなくなるかもしれない。
その重圧は限りなく重く、二人は胃がおかしくなりそうだった。
「もし、もしだよ――」
とピヨ彦。
前置きをしておきながら、訥々と語る。
「誰も僕達を手伝ってくれなかったら……どうする?」
「どうするって……」
「僕達を信じてくれず、人が集まらなかったとしたらだよ」
「……わかんないよ、そんなの」
そんなこと考えたくないと言わんばかりに、鈴音は激しく首を振った。
それでもピヨ彦は口を閉じようとはしない。胸に溜まったわだかまりをぶち撒けるように、ピヨ彦は続けた。
「信じてくれないだけならいいよ、違う人を当たればいいだけだし。
でもさ、もしその人が僕らに好意的じゃないとしたら? もし僕らを殺そうとしてきたら? そしたらどうする?」
必ずしもないと言い切れる話ではない。現にピヨ彦に出逢ったときの鈴音がそうだった。
たまたま鈴音にそれ以上の戦意がなかったからピヨ彦は助かったのであって、他の人間までそうだとは限らなかった。
ピヨ彦の指摘とはまさにそこだった。
その場合どうするのかと、鈴音に聞いているのだ。
「ちょっとやめてよピヨさん、変なこと言わないで」
「僕だって言いたくないよ。けど、そういうことがあったっておかしくないじゃないか。僕たちは今、殺し合いをさせられてるんだよ」
「やめてってば!」
悪い心配ばかりを口にするピヨ彦に、鈴音は声を荒げた。
「……ごめん」
二人の間に深い沈黙が落ちる。
いつの間にか道は平坦なものに変わっていて、鈴音のスケートも足で漕がねばならなくなっていた。
足取りまですっかり重くなってしまった二人は、とぼとぼと下を向いて歩き続けた。
二人の脳裏に、逃げ出そうという思いが湧いていた。
先に見たことを忘れ、投げ出すのは簡単なことだった。このまま引き返し山の中にでも逃げ込んで姿を隠していれば、事はそれで済む。
あとは助けが来ることだけを一心に祈り、立ち木の陰で震えてでもいれば、どんな結末になろうともともかく片は着く。
何も参加者全員の命運を一手に背負ってプレッシャーに押し潰されそうになることも、敵か味方かもわからない人に協力を求め歩くこともしなくてよかった。
――そうだ、そうしよう。逃げてしまおう。
きっと誰かが代わりをしてくれる。きっと誰かが助けてくれる。だから逃げてしまおう……。
そんな気持ちが2人にないわけがない。
どちらも怖くて堪らないのだ。どちらも生きたいと思っている。
当たり前だった。
が、そんなことができるわけもなかった。
今自分たちに課せられている使命を考えれば、ここで逃げ出すなんてことは全くの論外である。
なにしろ生きて帰れるかもしれない千載一遇のチャンスが眼の前にぶら下がっているのだ。
そしてそのチャンスの活かし方を知っているのは、他ならぬ自分達だけなのである。
これでは何があっても投げ出すことだけはできない。やり遂げなければならなかった。
鈴音がおずおずと口を開く。
「大丈夫だよ……きっと私たちを信じてくれる人が居るから。きっと大丈夫だから」
そう言うと、鈴音は右足をぐっと滑らせてスケートを漕いだ。
* * *
「手を貸そうKaい?」
「どうも慣れないわね、そう大事に扱われるのは……。こっちは平気よ、あなたは自分のことだけ考えてなさい」
「はいはい、わかりましたYo」
「さ、つかさちゃん、足元気をつけて」
「はい」
鎌石村に向かう影が、ここにも3つ――。
1人は虎柄のバンダナ。1人はラフなジーンズ姿。1人は栗色のショートカット。虎鉄、香、つかさの一行である。
3つの影は互いに気を配り合いながら、用心に用心を重ねて道のない平坦な野を突っ切っていた。
虎鉄が先頭を行き、そのあとに香がつかさの手を引いてついていく形だ。
先頭の虎鉄が後ろの2人に振り向いた。
「にしても、こっちで本当にいいのKa? 目印みたいなもんは何も見当たらね〜けどNa」
「右手後方に神塚山があるから、たぶん間違いないわ。この方向よ」
「たぶんかYo?」
「大丈夫、間違いないから」
「それならいいけどSa」
虎鉄がまた前に向き直った。
彼の担っている役割は、一行の露払いと同時に危険の有無をいち早く察知することにある。
バンダナの下の眼が野生の虎の如く鋭く光り、前方の闇を透かしていた。
つかさが香に言った。
「ごめんなさい……。なんだか無理についてきてもらったみたいで」
「いいのよそんなこと、気にしないで。こっちも人を捜してるのは一緒なんだから」
「そう言ってもらえると助かります」
つかさがにこりと笑うと、まるで花が咲いたような可憐さだった。
しかしその愛らしい顔が、見る間にしぼんでいく。
「……ねえ香さん、助かりますよね? 私達……」
「当たり前じゃない、何言ってるのよ! 全員生きて帰れるわ」
「本当に?」
「ええ、約束する。あたしに任せなさい」
香は声を張って言い切った。
よほどの自信があるらしい。表情も他の2人に比べれば明るいものだった。
「なんてったってあたしは『シティーハンター』のパートナーなんだから。絶対あなた達を守ってみせるわ」
「してぃー……はんたー……?」
「なんだそりゃ? 聞いたことないZe」
2人が首を傾げる。それも当然の反応だった。
何故ならシティーハンターとは、XYZ――つまり、もうあとがない者が縋る最後の頼みの綱のことだ。
業界通ならいざ知らず、普通の人間なら知らなくていい裏の世界のことである。
「説明するのが難しいわね……。とにかく、こういうことには慣れっこなのよ。
こんな言い方すると驚かれるかもしれないけど、私は言わば戦闘のプロなの。だから万事あたしに任せておきなさい。悪いようにはしないから」
「Hyu〜。そいつは凄いNe。まさかこんな美人さんが戦闘のプロだなんて……。こいつは益々ご一緒できてラッキーだったNa」
信じたのか信じていないのか、ともかく虎鉄は茶化すように相槌を打った。
「まああたし一人じゃちょっと心許ないんだけどね。
でも大丈夫。リョウや海坊主さん、それに冴子さんが揃えば、あんな奴ら簡単にやつけちゃうんだから」
香は自分の手柄でも語るように、誇らしげに胸を張った。
「香さんが捜してるのは、その人達のことなんですね?」
「ええ。リョウ達が見つかれば、こんな首輪だってすぐに外してくれるわ」
やがて3人は、一本の道路へと出るのだった。
* * *
「あれは……」
ピヨ彦が前方を指差した。
そこには白いガードレールを乗り越えようとしている人影が、3つほどあった。
一瞬、2人は申し合わせたかのように足を止める。
じっと様子を見守りながら、どうするべきか判断しあぐねているのだった。
果たしてこの人たちは自分たちを信じてくれるか、危険な人物ではないのか、と――。
「3人で固まってるってことは、大丈夫なんじゃないかな?」
と鈴音の言。
もし危険な人物であるなら、3人徒党を組むこともないだろうという意味だった。
まさか3人とも危ない人達なんてことはあるまい。
「一概にそうとは言い切れないけど……でも大丈夫そうだね。
ほら、あのバンダナの人、ガードレールを乗り越えようとしてる子に手を貸してるもの。悪い奴らならあんなことしないさ」
「ピヨさんって案外偏見持ちなんだね」
「えぇ?!(ガビーン)」
なにわともあれ2人の意見は一致し、運を天に任せこの3人に賭けてみることになった。3人に秘事を打ち明けるのだ。
まず鈴音がローラースケートを弾ませ、3人に滑り寄りながら声を掛ける。
「あの!」
突然そんな登場をされて面食らったらしく、ちょうどガードレールを乗り越えたところだった3人は、揃って蒼い顔をして息を呑んでいた。
そこにピヨ彦が走り寄ってくる。
「駄目だよ鈴音さん! そんな風にしたら驚かれちゃうって」
言うなりピヨ彦は鈴音の横に並び、3人に向かって軽く頭を下げ、早口に
「あ、どうも驚かせてすいません。僕は酒留清彦。彼女は瀧鈴音さん。決して怪しい者ではございません」
と、充分怪しい前口上を述べた。
それから、ほら、と鈴音をたしなめ、鈴音にも型どおりの挨拶をさせた。
「ふう、脅かさないでよ、てっきり襲撃に遭ったのかと思ったわ」
「おいおいしっかりしてくれYo。戦闘のプロなんだRo? そんなんじゃこの先思いやられるZe」
「わかってるわよ」
3人のうちの2人のやり取りに、鈴音もピヨ彦もそれぞれ別の反応を示した。
「よかった、いい人そうな人達みたいで」
「うわぁー、ハマーさんみたいな喋り方だ……(ガビーン)。眼の下になんか同じようなのあるし……」
鈴音が喜ぶのに、1人が話を継いだ。
「私達、助かるかもしれないんだって!」
「どういうこと?」
それで5人は身を寄せ合うと、個々に事情を言い交わし合った。
・
・
・
・
・
「へえ、なんだかよくわからないけど、プロのスイーパーだなんて凄いんだね」
「うん! これなら学校のことだって何とかなるかもしれない!」
香の素性を聞いたピヨ彦と鈴音が、喜色満面手を取り合う。
重圧に押し潰されそうになっていた2人だったが、ここにきてようやくその重みから解放されたという喜びようだった。
しかし――――。
「なあ香さん、どうも臭いと思わないKa?」
「……そうね」
喜ぶ二人の反応とは対照的に、虎鉄と香は眉間に立て皺を刻んでいた。
つかさでさえ難しい顔して考え込む仕草をしている。
ピヨ彦らから学校で起きた事のあらましを聞いてからというもの、ずっとこんな感じだった。
「ちょっと、どういうことよ?! 私達が嘘言ってるっていいたいわけ?」
「信じられないかもしれないけど、僕らが見たのは確かですよ。
あのおじいさんは、僕らに『ここを落とせば助かるかもしれないよ』と言って校舎の中に戻っていきましたから。間違いないです」
ピヨ彦と鈴音は捲くし立てるように己が主張の正当性を訴えた。
「この眼で見たんだもん! 本当だよ!」
「いえ、あなた達の言ってることを疑ってるわけじゃないのよ。今の話は信じるわ」
「それじゃあ……」
どういう意味ですかと、ピヨ彦が香に訊ねる。
すると虎鉄が代わりに注釈した。
「臭いってのは、そのじいさんのことSa。考えてみろ、なんでそんな簡単に自分達の居場所を教えちまうんDa?
俺達に気付かれないように、その学校から高みの見物気取ってればいいだけの話だRo。わざわざ自分の居場所を知らせる必要なんてね〜じゃねえKa。
いくらこっちの数が少なくて、全員を首輪で制御できるっつっても、武器だって配ってるんだし、中にはプロのスイーパーだって人も居るんだ、
居場所がバレたら奴らだって絶対に安全とは言い切れないはずだRo?
それを私達はここに居ますよと教えておいて、『ここを落とせば助かるかもしれないよ』なんて言うのは、どう考えたっておかしいZe」
「な、なるほど……」
「じゃあ……私達は罠に嵌められそうだった……ってこと? 学校に集まってきたところを一斉に……」
悔しさと恐怖がない交ぜになり、鈴音は最後まで言葉にできなかった。
それを見た香が、すかさず言った。
「いいえ、そうではないと思うわ。そんなことするくらいなら、こんな回りくどいことせずにとっくに殺されているはずだもの。
機会はいくらでもあったんだから」
と言い、更に
「一旦私達を島に放っておいて、また一所に集めて殺すなんて、そんなやり方に彼らも何のメリットもないでしょう?」
と同意を求めた。
「そう言われてみれば確かに……。じゃあ何のためにあんなことを言ったんだろう……?」
「だから、それが臭いってのSa。どうもよくわからNe〜」
5人は考え込んでしまった。安西の残した言葉の真意を図りかねていた。
――と、ずっと黙っていたつかさが唐突に言った。
「……それだけ自信があるってことじゃないかな?」
4人の視線がつかさに集まる。
つかさはその視線を一身に受けておいて言葉を繋いでいく。
「『落とせるものなら落としてみろ。こっちはそう簡単にやられないぞ』。そう言ってるのよ」
「Ho〜……そりゃ大した自信だWa。……気に食わないGa」
虎鉄が苦々しい顔をする。
元来自信の強い性質である虎鉄には、そのあからさまな挑戦がひどく癪に障るのだろう。
「――或いは私達を殺すのが目的ではない何か別の意図があるのか、そのどちらかでしょうね」
意味ありげに香は言った。
無論、その意図とやらを香も知っているわけではないのだろうが。
「じゃあ僕達が持ってきた情報は、結局無駄だったのか……(ショボ〜〜ン)」
「いいえ、それは違う。何処に奴らが居るかってことは、これ以上ないほど貴重な情報よ。
それに、もし仮にこれが奴らの罠だったとしても、要するにそんな罠なんて蹴散らしちゃえばいいだけじゃない」
「できるんですか?」
「やらなきゃなんねえだRo。死にたくないならNa」
虎鉄がそう言うと、全員がこくりと頷いた。
罠だとしても、それが唯一生きる望みであるならば、食い破ってでも突破するしかなかった。
生きたいという気持ちは全員同じなのだ。
「なら早く戻りましょ! もう時間もそんなに残ってないから」
鈴音が早速学校へ戻ることを主張する。
時計の針は刻々と進んでおり、残す時間は3時間を切っていた。
もう悠長に議論を交わしている余裕もなかった。1秒とて無駄にはできない。
「待って、すぐには行けない」
もう歩き出しかけていた鈴音に、香が言った。
「気持ちが逸るのはよくわかるけど、私達だけで学校を陥落させるなんて無理よ。向こうは完全武装、こっちは碌な武器もなし。
人だって5人しか居ないじゃない。やるしか生きる道がないとは言え、これでは勝ち目がないわ」
「でも時間が……」
「俺達を殺すのが目的じゃないとしてもDa、俺達が攻め込めば当然迎え撃ってくると見て間違いないだろう。
そんときにバットやテニスのラケット持ってったんじゃ、話にもならねえだRo」
ピヨ彦も鈴音もそれには返す言葉がなかった。
確かにその通りだ。相応の条件が揃って、初めて襲撃が可能となる。
中途半端な人員と装備では、わざわざ犬死しに出掛けて行くようなものだった。
「……いいわ、こうしましょ。とにかく、あなた達は一度学校へ戻りなさい。そして奴らがどういう用意をしているのか、見極めておいて頂戴。
私はこれから鎌石村まで回って、他にも手伝ってくれる人は居ないか、使えそうな武器はないか、見てくることにするから」
「けど……」
「大丈夫よ、急げば何とかなるわ。朝の放送までには必ず駆けつけるから」
香が安心しろとばかりににこっと笑って見せた。
それで鈴音も不承不承納得せざるを得なくなった。
「……香さん、私も行きます」
つかさが前に身を乗り出した。
連れて行かないと無理にでもついて行きかねないという気迫が篭っている。
「そうね、なら一緒に来なさい。もしかしたら捜してる人が見つかるかもしれないものね」
「はい」
「そうなると俺も行かないわけにはいかないKa。まさかハニー2人だけに任しておくわけにはいかないもんNa。
そっちのファニーなスパッツギャルも捨てがたいGa、そっちはお前らに任せるYo」
虎鉄までもが香に同行することを申し出、結局はそれぞれ元の面子に別れることになった。
香はピヨ彦と鈴音の手を取ると、2人をしかと見据えて
「絶対に無理はしちゃ駄目よ。少しでも危ないと思ったら、すぐに逃げなさい。見張り役なんて忘れていいんだから。
いい? 約束だからね、絶対だからね」
少しきつい調子で言い含めた。言われた2人は、深々と頷いてそれに答えた。
2組はそれで別れた。
* * *
みなさん、こんにちわ。29話ぶりの登場だったピヨ彦こと、酒留清彦です。
僕は今、鈴音さんと二人、ついさっき歩いて通った道を引き返している最中です。
ローラースケートを履いた鈴音さんには上りの坂道が少しきついようですが、鈴音さんは脱げと言ってもまったく脱ごうとしません。
あ、いや、そういう意味じゃないですよ? いやらしい意味で言ったわけじゃないですからね、スケートをってことですよ(あたふたあたふた)。
いやあ、それにしても前回またも色々とありまして、あんなことやそんなことでかくかくしかじかだったわけですが、
もう驚きの連続でしたよ。たぶん、寿命が3日は縮みました。
もしかしたら僕の寿命なんて3日も残ってないのかもしれませんけどね。はは、あははは……はははは……はあ…………(ガビーン)。
まあとにもかくにも、こうして無事に協力してくれる人達が見つかったんで、よかったですよコンチクショウ。
一時は最悪なことまで考えてましたからね。まずは一安心といったところでしょうか。
「よかったよね、これでなんとかなるかもよ」
「うん! ホントそうだね!」
行きの暗い気分とは大違いです。
なんだか大役をこなしてきたあとみたいな晴れがましい気持ちと、それからもう生きて帰れると決まったような嬉しい気持ちとで胸一杯です。
これでジャガーさんや高菜さんがここに居てくれたら、もう言うことなしなんですけどね。
ジャガーさん達は一体何処に居るんでしょうか。
普段なんだかんだ言ってても、やっぱりジャガーさん達が居ないと落ち着かないです。無事で居てくれたらいいんですが……。
「ピヨさん、早く早く! 急がないと置いてっちゃうよ!」
鈴音さんは元気です。
彼女の知り合いも、でき得ることなら無事で居くれるとありがたいです。
誰かが死んじゃうのって、それが知らない人であってもいい気はしないですもんね。
「ほら、そんなに急ぐと転んじゃうよ。気をつけて」
「平気だよ、私、スケートで転んだことないんだから」
「それならいいんだけど……って、うぉーい!
進んでないし! むしろ下に向かって滑って行っちゃってるし! 全然平気じゃないし!」
……本当にこんな調子で大丈夫なんですかね? なんだかちょっと心配になってきました。
まあ突っ込んでても始まらないんで、とにかく先を急ぎますね。
* * *
「ああは言ったが、実際どうなんDa? あいつらが言ってたのがマジだとして、俺達勝てるのかYo?」
虎鉄が歩きながら言った。表情は相変わらず渋い。
「……もちろん」
「気休めは要らないZe。本当のことだけ言ってくれ」
虎鉄は香の言ったことに対し、きっぱり気休めだと断定した。
虎鉄は虎鉄なりに、向こうの戦力とこちらの戦力の差の大きさを分析しているようだった。
「香さん、どんなにあんた達が凄腕だったとしてもだ、あれだけの装備を揃えた奴らに勝てるとは俺には思えないんだがNe」
「……そうね、難しいかもね」
「そんな……」
横で聞いていたつかさが絶句する。
「勝ち目は全くなしKaい?」
「そんなことはないだろうけど……でも正直、このままじゃ厳しいのは確かね」
「やっぱ武器が足りないんだNa?」
「ええ、そう。それと人もね」
最初の予定では、まず仲間との合流を考えていた。
それから主催者と戦うなり、逃げ出す算段をするなりと、とにかくいきなり本拠地を叩くなど想定もしていなかった。
それが急遽数時間以内に本拠地に出向くことになったのだから、どうしても準備不足は否めなかった。
「何が必要になってくるんDa?」
「使えそうなものは何でも。――できればウージーやMP5、M72やRPG7なんかがあったら最高ね。
そんな装備があれば人数が少なくてもある程度は善戦できると思うから。派手に銃声を鳴らしておけば、周りの人も気付いてくれるだろうし。
でもまさかロケット砲まで支給してないだろうから、この際適当な銃火器であればよしとしなきゃね」
「銃火器か……。探すのに苦労しそうだな」
「そうね。場合によっては危険なこともあるだろうから、今から覚悟だけはしておきなさい」
「わかったYo」
虎鉄は強く頷いた。
そしてつかさの肩を抱き寄せ、こう言った。
「なあに、いざってときは俺がつかさを守るから、安心しNa」
「……頼みにしてます」
と、つかさは顔を赤くしながら答えた。
【D-05/車道/1日目・午前3時30分ごろ】
【男子15番 酒留清彦@ピューと吹く!ジャガー】
状態:健康
装備:なし
道具:支給品一式 釘バット@Mr.FULLSWING
思考:1.学校へ戻り、様子を窺う
2.ジャガー、高菜、鈴音の知り合い、あといついでにハマーと合流
3.可能なら主催者を襲撃
【女子7番 滝鈴音@アイシールド21】
状態:健康
装備:SW M19(弾数6/予備弾24)@CITY HUNTER
道具:支給品一式
思考:1.学校へ戻り、様子を窺う
2.セナ、ヒル魔、ピヨ彦の知り合いと合流
3.可能なら主催者を襲撃
【C-05/車道/1日目・午前3時30分ごろ】
【女子12番 槇村香@CITY HUNTER】
状態:健康
装備:ラケット(テニスボール×3)@テニスの王子様
道具:支給品一式
思考:1.鎌石村に赴き、人や武器を捜す
2.リョウと合流
3.虎鉄、つかさと協力
4.冴子、海坊主を捜す
【女子09番 西野つかさ@いちご100%】
状態:健康
装備:なし
道具:支給品一式(※ランダムアイテムは不明)
思考:1.鎌石村に赴き、人や武器を捜す
2.真中と合流
3.香、虎鉄と協力
【男子11番 虎鉄大河@Mr.FULLSWING】
状態:健康
装備:なし
道具:支給品一式(※ランダムアイテムは不明)
思考:1.鎌石村に赴き、人や武器を捜す
2.香、つかさに協力
3.可愛い女の子と仲良くする
すいません、遅くなりました。
何かありましたら言っていただけると幸いです。
ピヨ彦たちはちゃんと伝えられたか
このまま対主催は厳しそうだが、情報を撒けただけでも結構大きな展開に繋がって行きそうだ
乙彼でした
ふと交流所を見てまさかと思って来てみたら新作キテター!!
いやGJ。
チーム結成の後の離別は死亡フラグ……
てか学校に戻って様子を窺うって時点でもう死臭がするよおおお
あと中でも突っ込まれてるけど一瞬虎鉄がハマーかと思っちまった……
乙です。
まさかこんな早い段階で主催者に挑むとは驚きです。
しかし人数は増えたものの装備に恵まれていないようで先行きが不安ですね。
続きが楽しみです。
286 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/03(火) 18:52:45 ID:wb5dz1ZH
こう来たか
もう対主催かとも思ったが前回でフラグは立ってたからな
はてさて主催戦まで無事に漕ぎ着けるのか、楽しみだ
288 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/04(水) 14:46:25 ID:aGU2wjk1
盛りあがらんスレだな
ちょっとは馬鹿騒ぎしようぜ
支給品の項目が随分埋まって来てるな
管理人の話はどうなったんだ?