ジャンプキャラ・バトルロワイアル2nd SS投下スレ

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163Yesterday Once More ◆SzP3LHozsw
ガラス玉みたいに輝きを失った瞳からは、もう涙が溢れることはなかった。
涙も心もすっかりカラッポになってしまったようだった。
大きな喪失感と虚無感――。
その二つだけが赤木晴子の胸を占めている。
抜け殻となった晴子が今できることは、16年間のうちに経験してきた兄との思い出に浸るだけ。

小さい頃から遅くまでバスケをしていたお兄ちゃん。
私にレイアップを教えてくれたお兄ちゃん。
桜木君のことを伝えると筋トレをしながら全国の夢を語ったお兄ちゃん。

そのどれもが昨日のことのように鮮明に思い起こされる。
赤木剛憲は晴子のどの思い出でも逞しくて頼りになる存在だった。
しかし、その楽しかった昨日は二度と戻らない。
遅くまで練習に取り込む姿も、桜木に熱く指導する姿も、全国の夢を涙ながらに語る姿も、もう見ることができないのだ。
大好きだったお兄ちゃんは死んでしまったのだから。

晴子は膝を抱えてその間に顔を埋めた。
疲れていた。何も考えられないほどに疲れていた。
空気の抜けてしまった風船のように、晴子もまた萎んでしまっていた。
晴子の望むのはただ一つ、もう一度昨日に帰りたいということだけだった。


【A-5/森/一日目・午前午前2時前後】 

【女子1番 赤木晴子@SLAM DUNK】 
 [状態]:精神的に不安定
 [装備]:なし
 [道具]:支給品一式(※ランダムアイテムは未確認)
 [思考]:1、何も考えられない