沿線発展 高まる期待
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20100314-OYT8T00043.htm JR京都〜園部完全複線化
複線化事業が完了したJR山陰線の京都駅(下京区)〜園部駅(南丹市)間約34キロで、新ダイヤが13日、スタートした。
快速の増発や京都市と丹波地域の移動時間短縮が図られ、関係者らは沿線の発展に期待を寄せている。
下京区のホテルで記念式典が開かれ、両駅や亀岡駅では記念列車の出発式や関連イベントが行われた。
京都駅〜園部駅間は1899年に開通し、1990年に全線電化。
複線化事業は89年に始まり、2003年からは、それまで単線だった京都〜二条、花園〜嵯峨嵐山、馬堀〜園部の3区間の計約22・8キロで実施した。
今回の総事業費は約233億7000万円で、花園〜嵯峨嵐山間の高架化で踏切を減らしたり、嵯峨嵐山、亀岡両駅の橋上化なども進めてきた。
完全複線化により、電車の行き違いでの待ち時間がなくなり、京都〜園部間が4〜15分短縮され、快速では最短37分。
また今回のダイヤ改正で、朝夕のラッシュ時に快速電車など計9本を増発した。
さらに昼間の普通電車の運転間隔は、10分おきと等間隔になった。
京都駅では、出発式で関係者がテープカットした後、一日駅長の市立梅小路小5年の福田乃杏さんの手信号で午前9時30分、記念列車が出発。
右京区の会社員北村真理子さん(26)は「南丹市に祖父母が住んでいて、よく利用するので、時間が短縮されるのはとてもうれしい」と歓迎していた。
亀岡駅では国鉄以前に「京都鉄道」を興して現在のこの区間の礎を築いた田中源太郎氏を顕彰する碑の除幕式が行われた。
記念式典には、JR西日本や国土交通省、沿線自治体の関係者約350人が出席。
山田知事が「南北を縦断する府民の幹線鉄道として、また観光客の足として、便利になった。地域発展の原動力にしたい」とあいさつ。
山陰線京都中部複線化促進協議会長の佐々木稔納・南丹市長も「念願がかなった。これを起爆剤として沿線地域のさらなる発展に努めたい」と述べた。
JR西日本は14日、丹波口〜園部間(保津峡、吉富を除く)でスタンプラリーを行う。
また4月30日まで、各駅で台紙付き記念入場券を販売している。