この物語は完全なるフィクションであり、実在する人物・団体には一切関係ありません
(第一章) いたいけなボール〜部室で育む秘恋
俺の名前は窪田彰浩、世間で言うFラン大学の3回生だ。
趣味はパチンコと快楽全般。特に後者には全人生を注いでいる。
名家に生まれたお陰で、まともに勉強などしたこともない俺だが、就職には困らない。
誰でもできる小学校の教師へのレールがすでに引かれていた。
女とギャンブルしか興味のない俺の大学生活は、いたってシンプルなもので、
打つ(パチンコ)→ 犯る(女・たまに男)→ 呑む(酒)のローテーションが見事に組まれていた。
そんな俺の生活が・・いつからかアメフト部の後輩国定に乱されることになろうとは、思いもよらぬことだった。
「師匠、お疲れ様です」国定がいつものように声をかけてくる。
とぼけた笑顔。2回生なのに必死にボールを磨いている。
俺はこいつが先輩の前だけ、こういう点数稼ぎの行為をすることに気がついていた。
要領のいいやつだ。だが、頭はお世辞にも切れるタイプではない。
「おお、クニお前マメだな」とりあえず褒めてやると、
「当たり前じゃないっすか、ボールは俺らの命ですよ」
とどこかで聞いたことのありそうな答えが返ってきた。
二人の他は誰もいない部室、遠くで鳴くひぐらしの声。
体育座りをしてボールを抱え、一心不乱に磨くクニ。
その手の動きを見ていたとき俺はちょっとした悪戯を思いついた。
「なぁ、クニ。そのボールの先で乳首つついて自分で勃起させてみせろよ」
ボールから俺に視線を移し、驚愕している国定の顔がさらに俺を熱くさせた。
「はやくやれよ、クニ。俺は気が短いんだよ!」少し語気を荒げて吐き捨てるように言うと、
クニはのろのろと立ち上がりシャツを脱いだ。
「師匠、何考えてるんですか」もごもごと言いながら、ボールの先端で乳首をこすっている。
俺が何気なくクニの下半身に目をやると、ジャージの布が少しずつ前にせり出してきているのがわかる。
「クニ、いい感じじゃん。このままちんこ触ってオナれよ」わざと静かな声で命じると、
クニは泣き出しそうな顔になった。
「先輩、もう勘弁してくださいよ」
許しを請ってはいるが、体育会では先輩の命令には絶対であることをクニもよくわかっている。
「下のお前は、もっとして、と言ってるぞ。ほら早く!早く!早く!」
急き立てるように言うと、クニは覚悟を決めたのか、ジャージを一気に下ろして
半勃ちした下半身を露出するという間抜けな姿になった。
片方の手でボールを握り乳首を愛撫し、片方の手でしごいている。
「出るまでやれよ」腕組みをして視姦しながら命じると、
クニの手の動きが小動物の動きのように小刻みになった。
だんだんと扱く速度が上がっていく。
「せんぱ〜い、俺、もう、もうダメですぅぅぅ」白い飛沫がクニの手を濡らす。
その瞬間何故だか俺の中に奇妙な愛おしさが芽生えて、クニに近づきそっとキスをしてやった。
クニが嫌がらないのをいいことに、俺は調子に乗って舌を差し入れようとした時、
部室の窓の外で物音がした。ぐったりと俺によりそうクニを押しのけて窓の下を確認してみると、
そこには地味でダサい女がうずくまっていた。
女が顔を上げると、俺は鳥肌が立っている自分に気がついた。
・・こいつは、一度不覚にも接近遭遇してしまったことがある・・
不愉快な思い出とともに、世間でいうオタクという種類に分類されるであろう女の名前を思い出した。
沢口ちさ子。男とみるやホモ扱いをし、不可解な文章を書き散らし、
悦に入っているなんとも不気味な女だ。
ホモを探すために、日夜学内を徘徊しているらしい。
「わざとじゃないです、わざとじゃ、あの、その、私は、私は、人類の生殖の研究を・・
それでもって覗き・・覗きではなく探究心の、それで・・・」
ずり落ちたメガネを直しながらブツブツつぶやいている。
「沢口さん?」俺が名前を呼びかけると、女は顔を上げた。呼び掛けられたのが嬉しかったのか、
満面の笑顔だ。それはそれで気持ち悪い。しかも興奮状態が覚めたのか口調が通常のものに変わる。
「私は、あなたたちの味方です。ホモはすばらしい!ホモはワンダフル!
子孫を生さなくても生殖行為をして、性欲を満たしているなんて、とても合理的だと思います。
そもそも同性愛は日本古来から稚児文化として強く根付いており、ここ京都はその発祥の地、
メッカとしてもっとホモ人口が増えるべきなのです。私はこの大学が好きです。京都が好きです。
先輩のしていることは、大学のため、京都のためになるのです」
・・頭痛がしてきた。・・こいつは前回会ったときもそうだった。
人の話は一切聞かず、自分の主義主張だけを早口で捲くし立てる。
相手が話を聞いているか否かは、全く気にも留めていないのだ。
俺が衣服を整えてるクニを振り返り見ている間に、沢口は一通り演説を終えたのだろう、
「ちさめと呼んでください。誇り高き私のペンネームです。
先輩、苦難はたくさんあるとは思いますが、必ず市民権が得られる日がきます。
何かあったら相談してくださいね」と言い残し去っていた。
「先輩、帰りましょう」ぐったりとした声でクニが言う。
クニに近づき、額に張り付いたクニの前髪を掻き分けながら、
俺はさっきまで感じていた言い知れぬ愛情の余韻に少しだけ浸った。
「クニ、かわいいよ」そういうともう一度クニに口づけてもみた。
・・まぁ、たまには男もいいよな。商売女ばかりだと飽きるしなあ。
ちさめみたいなオタク女に見付かってしまったのは失敗だったが、
俺はしばらく新しく手に入れたオモチャで遊んでみたくなった。
「これからも俺の言うことを素直に聞くんだぞ、クニ。素直なクニはかわいいよ」
クニの耳朶を弄びながら言い聞せる。
ガクガクと首を立てに振るクニに、征服欲が満たされていくのがわかる。
さてと、次は俺のモノでも咥えさせるかな〜。
俺は、これからクニにとらせるべく様々な痴態とめくるめく快楽を想像し、
にんまりしながら帰途についた。