「師匠、お疲れ様です」国定がいつものように声をかけてくる。とぼけた笑顔。2回生なのに必死にボールを磨いている。俺はこいつが先輩の前だけでこういう行為をすることに気がついていた。要領のいいやつだ。だが、頭はお世辞にも切れるタイプではない。
「おお、クニお前マメだな」とりあえず褒めてやると、「当たり前じゃないっすか、ボールは俺らの命ですよ」とどこかで聞いたことのありそうな答えが返ってきた。
二人の他は誰もいない部室、遠くで鳴くひぐらしの声。体育座りをしてボールを抱え、一心不乱に磨くクニ。その手の動きを見ていたとき俺はちょっとした悪戯を思いついた。
「なぁ、クニ。そのボールの先で乳首つついて自分で勃起させてみせろよ」
ボールから俺に視線を移し、驚愕している国定の顔がさらに俺を熱くさせた。