>>6 「新潟大学脳研究所」は、脳の働きの不思議を解明し、疾病を克服するため、様々な角度から研究を行っている。
国立大で唯一の脳専門の研究施設で、臨床と教育を併せ持つ点でもユニークな存在だ。教授から大学院生まで105人が、最先端のテーマを追う。
最近では、今年度の国の21世紀COE(中核的研究拠点)プログラムにも選ばれた。
研究所が保管する約42万点という、世界でも類を見ない標本情報をデータベース化して、海外の研究者ともネットで結ぼうという計画だ。
標本室を案内してもらった。内外の珍しい症例も含め貴重な標本がずらりと保管されている。
計画が完成すれば、国際的な研究拠点になるだけでなく、全国的に後継者難といわれる脳病理専門医の育成にも役立つ、と期待する。
柿田明美・助教授は「病理医が一人前になるまでには地道な努力が必要ですが、手術中に一瞬で的確な判断をしなければならない場面があるなど、やりがいのある仕事」と話す。
計画も、患者や家族の厚意を前提とした解剖がなければできない。標本を前に、柿田さんの言葉から、感謝の気持ちがうかがえた。