B29:墜落「語る集い」 戦争や平和考える機会に−−北九州・八幡西 /福岡
毎日新聞 2月10日(日)13時49分配信
1945年3月、旧植木町(現・直方市)の遠賀川に米軍の爆撃機B29が墜落した出来事を「語る集い」が9日、墜落現場に近い八幡西区の北九州市立長崎街道木屋瀬宿記念館であった。
身近なところから戦争や平和を考えるきっかけにしてもらおうと、同記念館と地元住民でつくる「B29の植木墜落を伝える会」が初めて開き、約200人が参加した。
太平洋戦争末期の45年3月27日深夜、関門海峡へ機雷を投下するため襲来したB29の1機が旧日本軍の砲撃を受け、遠賀川河川敷に墜落。搭乗していた米兵10人のうち8人が死亡し、2人は脱出後に捕虜となった。
墜落に関する文献はほとんどなく、県文化財保護指導委員の牛嶋英俊さん(66)が10年以上前から、当時の目撃証言や米軍の調査報告書を基に研究を続けてきた。
この日は、牛嶋さんの概要説明に続いて「現場に髪の長い米兵の遺体があり、女性兵士がいると皆で驚いた」(住民の男性)▽
「骨格から全員男性だったと思う」(医師の男性)▽「壊れた計器類のスイッチを拾い、電気コンロを作った」(元教諭の男性)−−などの証言が出た。
牛嶋さんは「米軍資料から墜落機の搭乗員は全員男性だった」としたうえで「今ならまだ、当時を知る人が多くいる。たくさん話して、後世に伝えてほしい」と呼びかけた。【高橋克哉】
〔北九州版〕
2月10日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130210-00000132-mailo-l40