【ごるステ】まんごるもあ【皇居のお堀に入浴剤】1包目
古典文学のアグレジェであるロジェ・プレヴォは、この詩の歴史上のモデルをジョフロワ・ド・ブイヨン (Geoffroi de Bouillon) による
1099年7月のエルサレム占領と見なした。そして、「恐怖(effrayeur)の」大王は、英雄として語り継がれた「ジョフロワ (Geoffroi)」の言葉遊びであるとみなした。
フランス文学者の高田勇は、「アンゴルモワの大王を復活させる恐怖の大王」は「フランソワ1世の再来を思わせる強大な王」を意味しているとみなした。
作家のピーター・ラメジャラーは、この詩の土台になっているものとして2つの出典を挙げている。ひとつ目は、1526年8月に当時捕虜となっていたフランソワ1世を
カール5世が訪問し、これが一つの契機となって翌年3月(この詩の四行目は「3月の前後に首尾よく統治する」とも訳せる)にフランソワ1世がフランス王国に返り
咲いたことである。つまり、この場合フランソワ1世を復活させた「恐怖の大王」はカール5世を想定していることになる。そして、もう一つ、この詩には『ミラビリス・
リベル』などに登場する終末の教皇のモチーフ「天使的な牧者」のイメージが重ねあわされているとしている。
信奉者による恐怖の大王の解釈例
信奉者の間では、歴史的な出典や文学的な出典といった根拠らしい根拠がほとんど考慮されることなく、様々な説が飛びかった。
以下では、各説とその主張者(代表的な人物1名の例示にとどめる)を列挙した。
1999年6月までに提示された解釈
# 空軍の大編隊(Andr Lamont, Nostradamus Sees All. From 1555 To 3797, W.foulsham Co., 1943)
# 反キリスト(M. P. Edouard et Jean Mezerette, Texte original des Prophties de Michel Nostradamus, Les Belles Editions, 1947)
# 異星人(Stewart Robb, The Prophecies on World events by Nostradamus, Liveright, 1961)
* 可能性の一つとして挙げている。
# 日食 (Dr.N.A.Centurio, Nostradamus Prophetische Weltgeschichte, Turm-Verlag, 1977)
* チェントゥリオらによれば、「恐怖の大王」は16世紀当時には日食を表す慣用表現であったという。ただし、実証的立場の研究者でこの点を
追認した者は一人もいないため、真偽不明。1999年8月11日に欧州の一部などで皆既日食が起こったこと自体は事実であり、ピエール・ブランダ
ムールのように実証的な立場の論者の中にも何らかの関連性を示唆するものはいた。
# 天体の衝突(Serges Hutin, Les Prophties de Nostradamus,Pierre Belfond, 1981)
# 地球に大洪水をもたらす氷天体の接近(中村恵一『ノストラダムス予言の構造』思索社、1982年)
# サタン(内藤正俊『ノストラダムスと聖書の預言』暁書房、1986年)
# 木星の衛星イオの欠片(川尻徹『ノストラダムス最後の天啓』二見書房、1990年)
* 川尻は世界史を裏から操る「影の組織」が存在するという独自の陰謀論に基づき、「影の組織」が1999年に核ミサイルでイオを破壊し、
3つに割れた欠片の一つに誘導ミサイルを付けて地球に落とす、と解釈していた。同時に「影の組織」が公然と姿を現すことも示しているとしていた。