「なかった事になります。」すざけるな！　PART 2

これに対し、金融庁では、唯一のマーケットメーカーとしての責任は重く、取引シス
テムにチェック機能があれば、防止できたとの認識から、７月２日から７月１３日まで
カバードワラントの売買業務の停止、６月２８日から７月２７日までカバードワラント
の新規募集・売出しの停止を命じた。また、ゴールドマンの約定に関する免責規定の投
資家に対する説明が明確でないことも指摘したうえで、カバードワラントの価格情報の
公正・透明化、責任の所在明確化や取引監視システムの強化など再発防止策の策定など
の業務改善も命じた。
さらに今回の取引に関連し、投資家は合計１億５７００万円の利益が期待できるのに
対し、ゴールドマンが免責扱いを主張していることから、適切な対応をすることをもと
め、７月２７日までに金融庁に報告することを命じた。証券取引に伴う利害の調整は、
当事者間による和解や日本証券業協会による斡旋、民法上の和解、裁判などの方策が考
えられる。今回も、いずれかの形で処理されることになる。しかし、営業職員との相対
による取引については、過失割合に一定のルールが成立しているのに対し、インターネ
ット取引については事例がなく、今回のゴールドマンの対応が注目される。
（了）