集団レイプで逮捕、米人エリートの経歴
泥酔した女性を“集団レイプ”したとして、陸上自衛隊所属の医官2人とともに逮捕された米国人、ディック・ビーソン容疑者(42)。その経歴を調べると、大手外資系証券の日本法人に在籍し、経済専門紙でコメントするなどしていた有名アナリストだった。日本銀行の客員研究員まで務めた頭脳エリートの華麗な経歴と乱れた私生活は−。
事件は8日午前3時ごろ、東京都世田谷区のビーソン容疑者宅で起きた。前日から開かれていたホームパーティーに、被害者となった30代の日本人女性は知人の紹介で参加。「この女性が泥酔し、寝室で休んでいたところ、初対面のビーソン容疑者と彼の知人だった陸自所属の20代の医官2人が意識混濁状態の彼女に次々と襲いかかったのです」(捜査関係者)
後日、被害者が警視庁駒込署に被害を訴え、今月24日、3人は準強姦容疑で逮捕されたのだ。
今回の事件に、容疑者を知る日本人関係者は「日本語もデーブ・スペクター並みに話し、日本とカナダの経済交流団体に無償協力するなど日本と北米の架け橋となる仕事もしていた素晴らしい経歴の人。信じられない」と口を揃える。
米カリフォルニア州出身で、カリフォルニア大学とミシガン大学で特待生として経済学を学び、博士号を取得。85年には、旧通産省傘下の中小企業庁・調査部門に研修員として勤務した後、カナダ・エドモントンのアルバータ大助教授となり、92年夏からの1年、日銀・金融研究所の客員研究員にもなっている。
日銀広報によると、この制度は「将来有望な欧米の学者や有名エコノミストを選別するなどし、こちらの費用で研究してもらう」というもの。日本通の学者として、いかに嘱望されていたかが分かるだろう。
そして、外資系証券会社の日本法人などでエコノミストを務め、再びアルバータ大で教壇に立った後、99年秋から大学を休職して来日。外資系大手「UBSウォーバーグ証券」のチーフストラテジストとして経済専門紙などからコメントを求められる有名アナリストとなった。
今年1月、森喜朗前首相の後継者問題が騒がれ始めた際には、経済専門紙で「野中氏であれば下降要因、小泉氏は中立、橋本氏は上昇要因」と、後継者別の株式相場への影響を推測。
「日本人のかわいい奥さんがカナダに住んでいる」(日本人関係者)という容疑者は、単身赴任で来日。今月末、会社を退職してカナダに戻る予定で、「アルバータ大学長は親日派で、近く教授になれたのは間違いなかった」(同)。
調べに対し、医官2人は容疑を認めているが、ビーソン容疑者は「合意の上」と主張。だが、捜査関係者は「アナリストの人格と下半身の人格は別。付き合っていた日本人女性も複数いたようだ」と話す。
凱旋帰国する矢先の事件に、知人の1人は「サヨナラ“乱交”パーティーのつもりだったのかもしれない。羽目を外し過ぎてしまったのだろう」という。
エリートエコノミストには、単身赴任のラストナイトで、“裏の顔”を発揮してしまったようだ。
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