10日の日本ハム戦でオープン戦1号となる逆転3ランをたたき込み、メジャー通算89本塁打の実力の片鱗をみせた阪神のケビン・メンチ外野手(31)。
徐々に日本への適応能力を発揮しはじめている。
0−2の8回、日本ハム3番手星野のベルトハイの直球を捉えた打球は弾丸ライナーでレフトスタンドへ。
2月15日のヤクルトとの練習試合以来のアーチでチームを勝利に導いた。
それでも「野球は一人だけじゃないんでね。金本、新井、赤星もいる。自分はその中の一人だからね」とメンチ。
昨年までメジャーでプレーしていたとはいえ“唯我独尊”のキャラクターとは違う。まだ来日して1カ月余りの現在、とにかく協調性重視だ。
初めての日本の地でも自分の顔を売るのに懸命で、試合前には率先してスタンドのファンに即席のサイン会を行うなど愛想は抜群。
報道陣の前でも「デリヘル」「スカトロ」などといった単語を連発してはニヤリ。球団関係者によると「エッチな言葉ばかりを集めた日本語の単語集を携帯して覚えている」という。
イチロー(マリナーズ)や松井(ヤンキース)にしても、メジャー入り当初は下ネタの英単語集でスラングを覚えては周囲に披露。
ウケをとりながらチームメートとの距離を詰めていったように、異国でチームにとけ込むには有効な手法といえる。
とはいえ、ただの陽気な外国人では仕方がない。昨年には外野手の層が厚いスター軍団・ヤンキースも獲得に興味を示していたのだから。
真弓監督もメンチについては「よかったり悪かったりを繰り返しながらになるでしょう。相手投手次第というところがあるんじゃないかな」と一歩引いた目線で評するのみ。
和田打撃コーチも「向こうでは選球眼がいいバッターと評判だったのが、こちらではボール球を振ってしまっている。
内角に速い球、外角に変化球という日本の投手独特の攻め方に慣れるためにもまだ何回も失敗していかないといけない」と一喜一憂を避けている。
メンチが本当の助っ人であることを証明できるのはあくまで開幕してからだ。
ソース:
http://www.zakzak.co.jp/spo/200903/s2009031117_all.html