2010年開催の上海国際博覧会(上海万博)に参加予定の米国はこのほど、各方面から「資金難」
で欠席するのではないかと相次いで報道されている。英国でも「金融危機の影響で万博出展
を見合わせる国や企業が増えれば、中国は350億ポンド(約4兆7528億円)の恥をかくことに
なる」など、上海万博の開催を危ぶむ報道が注目を集めている。中国経済網が外電を通じ、
11日付で報じた。
写真は上海万博の企業パビリオンの建設予想図
http://news.searchina.ne.jp/2009/0311/business_0311_035.jpg 英紙『デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)』によると、
「米国はまだパビリオン建設にかかる8000万米ドル(約78億8954万円)を準備できていない。
米国の上海万博への協賛企業は現在、化学素材メーカーの3M社と、サプリメントの製造と
販売を行うAnMar社だけで、ディズニー社、ペプシコーラ社など120社は出資しないと
宣言している」と、米国の万博参加への「厳しい道のり」を報じた。
同紙はまた、中国の政府関係者筋の「米国の上海万博不参加の場合、米国企業と上海との
関係性に影響する可能性もある」との談話も紹介し、今後の関係性の変化に懸念を示す一方、
「金融危機で外国企業の万博不参加が増えれば、中国は『350億ポンドの恥』をかくことにな
る」と言及、金融危機の影響で多くの国の参加辞退の可能性も指摘した。
米AP通信もまた、「米国の万博欠席はまさに、中国の横っ面を叩くようなもの」と表現し、
米国の万博不参加の事態は、中国の面子(メンツ)の問題に関わると伝えた。
一方、米国の万博への「及び腰」はこれが初めてではない。2000年のドイツ万博には欠席し、
2005年の日本の愛知万博には、トヨタ社の援助によるパビリオン建設で万博に参加している。