明日の日経平均を予想するスレッド〜2293〜

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407株中330→283 ◆zCW2OnXTUw
「以前なら、清掃会社に頼んでいたんですが。しょうがないです」。国内半導体大手ルネサステクノロジの
主力工場、那珂第二工場(茨城県ひたちなか市)。国内で最先端の半導体工場でも、大不況の荒波に
さらされている。稼働率は七〇%前後。十月から稼働率が急激に落ち、余った時間に社員自らバケツと
ぞうきんを手に床掃除に精を出す毎日だ。同工場の中野敏之製造部長も、「経費、コストはすべて
ゼロベースで見直すしか今は策がない」と吐露する。

8兆円かけたが
 デジタル家電、自動車など、多くの製品の頭脳として搭載され、情報化社会をリードした半導体産業だが、
今は見る影もない。ビジネスを成立させるための資金が集められないばかりか、これまでの巨額投資の
負担が、この需要減退の局面で巨額の減価償却費として重くのしかかり、各社の収益を急速に圧迫している。

 しかし、ここまで一気に弱体化した原因はどこにあるのか。ある国内証券アナリストは、「半導体ビジネスに
過大な幻想を抱き、各社が莫大(ばくだい)な設備投資に走りすぎた」と指摘する。それを端的に示す
データがある。今回の半導体不況を招く前の〇六年から〇七年にかけての二年間に、世界中の半導体
メーカーが製造設備に投資した金額(新工場の建屋等は除く)はおよそ八兆円にものぼる。

 前回、半導体産業が不況に陥ったITバブル崩壊前の二年間と比べても二倍の規模だ。「実態なき
需要を見込み、各社が設備投資の競争に走った揚げ句、過大投資のツケが今回の未曽有の
半導体不況を招いた」とこのアナリストはみる。その代償はあまりに大きい。世界の半導体企業が
リスク分散で専業化に走る中、設計、開発から生産、販売に至るまで依然として抱え込み、
投資負担の重い国内メーカーならなおさらだ。

 二〇〇九年三月期はエルピーダ、東芝は一千億円超、ルネサステクノロジ、NECエレクトロニクス、
富士通マイクロエレクトロニクスもそろって数百億円の最終赤字が見込まれる状況だ。

 一九八〇年代後半、世界のトップテンに五社を数えた日本の半導体メーカー。その後の米韓・台湾勢との
競争に破れて大再編したはずだったが、「あの大再編は果たして正しかったのかどうか」(外資系証券アナリスト)。

 さまよえる国内半導体に未来に向けた生き残りの絵図は描けるのか。「今まで潰れた半導体メーカーは
世界にもないが……」。東芝で半導体を担当する室町正志副社長の表情は冴えない。「このままでは
日本の半導体メーカーは世界の孤児になってしまう」。ある国内半導体メーカーOBは国内業界の現状を
こう嘆いた。