「パソコンがないと生きていけない体になってまして。」声優・古谷徹さんインタビュー
『巨人の星』の星飛雄馬や『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイなど、数多くの人気アニメ作品で
ヒーロー役を演じてきた古谷徹さんは、趣味のパソコンもキャリア20年以上。
プログラムまで書くという古谷さんにパソコンの醍醐味を聞きました。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/interview/20080717/1006143/1_spx200.jpg ■パソコン歴、古いですね。
きっかけは、仕事ができなくなったことなんです。1984年の1月に、読売ホールで、当時やっていたバンドの
コンサートがありました。僕はドラムの担当だったんですが、衣装替えで楽屋に戻るときに、3メートルの
ドラム台から舞台の上に落っこっちゃった(笑)。肋骨を折って、1カ月間、仕事がまったくできなく
なったんです。自宅療養だったし、時間を持て余しているときに、たまたま見ていた音楽雑誌に載っていたのが、
ヤマハのCX5というパソコンでした。パソコンって、何か難しそうで取っつきにくかったんですが、
これはヤマハだから買いました。オプションの鍵盤を買えば、シンセサイザーになる。これはいいや
と思って購入したら、いつの間にか、ベーシックのプログラミングにハマってしまいました。
■もともと素養があったのでは?
大学時代に、情報処理論という科目で、大型コンピューターのプログラムはやったことがあったんです。
マークシートを塗りつぶして提出すると、一週間後に結果が帰ってきて、エラーとか書いてある。
修正してまた出す。それに比べたら、ベーシックは結果がすぐわかるから、天国みたいだと思いました。
自分のミスを探すのが、謎解きみたいで楽しいんですね。それで簡単なゲームや確定申告のプログラムを
作っていました。すぐにパソコン通信も始めて、ニフティでフォーラムを作り、
ファンの方との交流の場にしたりもしました。
■シンセサイザーとしては?
使いましたよ。作曲もしましたし、音声合成の機能を使って、パソコンに歌を歌わせて、
デュエットしたりもしました。面白かったなあ。
■いまでもプログラミングを?
いやあ、もうやってませんね。パソコンがWindowsになってしばらくしたら、巷にソフトがあふれるように
なったじゃないですか。それまでは、自分が必要なのに、ソフトがないから作っていたんです。
それが、作るより買うほうが早いようになりました。フリーソフトも、たくさん出てきましたしね。
■では、いまの使い方は?
もう朝から晩まで、パソコンがないと生きていけない体になってまして。基本的にはメールですね。後はワープロ。
雑誌で持っているコラムの原稿を書くときは必ずWordを使います。記事用の写真も、自分でデジカメで撮って、
パソコンに取り込んで、原稿と一緒に送ります。写真が入ったゲラを校正するときには、画像処理ソフトを使って、
画像を修整します。後は、自分のホームページの更新もほぼ毎日やっていますね。
■ホームページも自作だとか。
いまはホームページビルダーというソフトを使っていますが、最初は自分で勉強して、いちから作りました。
だから、仕組みがわかっていて面白いし、応用が利きます。ソフトを使って思い通りにならないときは、
自分で直接、HTMLを書き換えたりできますからね。
■今後のパソコン関連の予定は?
今年は久しぶりに、パソコンを自作しようと思っています。ブルーレイディスクのドライブを入れて、
最新CPUのCore 2 Quadを載せたいですね。メインパソコンは、その時点で一番速くないと嫌じゃないですか。
ギターの音をパソコンに取り込む装置もあるので、自作の曲をホームページに使いたいですね。
もう40年もアニメのヒーローを演じ続けている古谷さんは、とても若々しく、前向き。
パソコンも、その若々しさに一役買っているようでした。