武藤日銀副総裁の総裁昇格案否決、今回民主党はよくやった 拍手喝采だと
12日、参院で否決された武藤敏郎日銀副総裁の総裁昇格案。衆院は13日昼の本会議で
採決するが、武藤副総裁が「もう勘弁してくれ」と言い出さないのが不思議だ。衆院は
数の力でねじ伏せるのだろうが、参院の結論がひっくり返る可能性はない。武藤氏はこ
の間、恥をさらし続けることになるわけだ。それでも「もう辞めます」と言わないのは
、根っから「政府・自民党の言いなり」なのだろう。大新聞は民主党の対応を批判して
いるが、どうかしている。
武藤氏については、日銀総裁としての能力、識見以前に「良識」を疑ってしまう。
民主党は以前から武藤案に反対していた。参院で賛同が得られないのは明らかだった
。
ふつうの感覚であれば、総裁昇格を辞退する。自分が総裁にこだわれば、金融市場の
混乱は避けられないからだ。
確かに、採決直前まで事態は流動的だった側面はある。だから、参院の審判を仰ぐの
は分かる。しかし、そこで否決された以上、潔く、退くのが当たり前だ。
ところが、武藤氏にはこうした発想がない。そんなことをしたら、政府・与党が困る
。そんな発想なのである。
権力者の走狗と言うか、「お上には逆らわない」体質が染み付いているように見える
。
これだけで日銀総裁は失格なのだ。金融政策を巡って政府と日銀が対立する局面は数
多くある。そのとき、「お上べったり」の武藤氏ではダメなのだ。
そう考えると、今回、民主党はよくやった。否決には拍手喝采だ。
「民主党が反対を貫いたのは、野党としての気概を示したというより、党内事情なので
しょう。ここでグズグズしていれば、与党に切り崩されてしまう。そうなれば、どうい
う結果になっても党内が割れて、大連立への懸念が再燃する。背景には微妙な党内情勢
があったのですが、とりあえず、腰砕けを避けられたのは評価できると思います」(政
治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
(後略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080316-00000008-gen-ent