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山師さん:
2006年05月12日16時52分
下げ渋るものの、中長期的な下落相場入りは明確
本日の日経平均は260.36円安の16601.78円で取引を終了した。朝方から米国株式相場の
急落を受けて、大幅安の展開。急速な円高進行に対する警戒感も強まり、日経平均は一時
400円以上下落する場面もあった。しかし、後場に入ってからは押し目買いが優勢とな
り、徐々に下げ渋る動き。短期的な突っ込み警戒感が強く、リバウンドを期待する声も高
まっていた。業種別東証株価指数では食料品、鉱業、海運など4業種のみが上昇。ゴム製
品、保険業、陸運業が2%を超える下落となった。
本日株価が急落したのは、前日の米国株式相場が急落したことが主な要因。また、円相
場が一時1ドル=109円台に突入する場面もあり、輸出関連銘柄中心に見送りムードが強ま
った。さらには、中国の銀行が抱える不良債権に対する話や、中東の銀行が破綻したなど
の噂も下落を助長しており、処分売りの動きがさらに強まる状況。信用需給に対する不安
感も台頭しており、下落幅拡大の要因となったようだ。ただ、懸念されていたオプション
SQを通過したことや短期的な突っ込み警戒感などから、その後は徐々に押し目買いムー
ドが強まる展開。多くの銘柄には長い下ひげが出現しており、調整一巡感の強いチャート
形状となっている。
来週の東京株式相場は、米国株式相場や円相場の動向を睨みながら神経質な相場展開と
なりそうだ。米国株式相場がすんなり上昇に転じるのか、円相場は109円台突入で達成感
が出たのか、などがポイントとなりそう。ただし、本日の東京株式相場は“割り込んでは
いけないサポートライン”を割り込んでおり、中長期的な下落相場入りは明確化。一時的
に上昇する場面があったとしても、圧倒的な売り圧力のもとに早々に上値を抑えられる可
能性は高そうだ。日経平均のリバウンド幅も本日の下落で空けた窓上限(16840.85円)が
限界値と考えられ、過度な期待は禁物であろう。今後は自民党総裁選に絡む政局不安など
もリスク要因とされ、外国人投資家にとっては日本株を買いにくい状況となる。オイルマ
ネーのレパトリ(自国回帰)の動きも懸念材料となっており、これまで堅調に推移してき
た優良銘柄にも風当たりが強まりそうだ。目先は短期急落銘柄の突っ込み買いや、忘れ去
られていた仕手系材料株、そして値動きの良いMM銘柄の物色など、“ゲリラ戦”の様相
を呈しそうだ。
(株式会社フィスコ 黒岩 泰)