【時価１兆目指して】ライブドア52【高級ーヒー】

飲食店の充実も集客向上に必要
　プロ野球「大阪近鉄バファローズ」の買収に名乗りをあげているライブ
ドアの堀江貴文社長は日経ＭＪの取材に対し、同社の経営プランをいった
ん拒否した近鉄側に向けて、引き続き新たな提案を示していく方針を明ら
かにした。球団経営再生の具体的なアイデアについても改めて自説を展開
した。堀江社長との主なやりとりは次の通り。
　――十二日に公表した球団経営プランは近鉄側に拒否されたが。
　「あくまで近鉄の買収に全力で取り組んでいく。現状ではオリックスと
の合併が有力視されているが、交渉が順調に進んでいるとは思えない。私
たちが買収に名乗りをあげてから一リーグ制の移行に反対する世論が盛り
上がり、政界にまで波及している。近鉄もプレッシャーを感じているはず
で、合併構想が覆ることはありうる。内容はまだ公表できないが、近鉄側
には新たな提案もしていく」
　――球団運営に対しては経営意識の欠如を指摘しているが、具体的な問
題点は。
　

「ひとつは球団経営者が憶病なことだ。経営者の努めのひ
とつは社員の給料を適正な水準に抑えることだが、その努
力を怠っている。近鉄は中村紀洋選手に五億円もの年俸を
支払っているが、はっきり言って愚かなこと。球団の窮状
を考慮せずにそんなことをすれば経営が傾くのは当然だ。
私の経営プランに盛り込んだように、球団の株式を公開し、
選手にストックオプションを付与するなどの工夫が必要だ」
　「選手についていえば、会社員と同じように給料分は働
いてもらう。選手は自分たちが見せ物という意識を持つべ
きで、例えば、場外での意図的な乱闘シーンや暴言を吐く
など、観客を盛り上げるタレント的な演出も必要だ。当然、
シーズンオフにはもっとファンサービスをすべきだし、テ
レビにはできる限り出演することも必要だ」
　――集客力を高めるにはどうするか。
　「観客動員という観点でみると、プロ野球と競合するのは他のス
ポーツではない。平日のナイターでは居酒屋、休日のデーゲームで
はテーマパークや映画館に足を運んでいる顧客をどう呼び込むかが
重要だ。例えば、球場内にレストランチェーンを誘致し、ある程度
の品質の料理とお酒を提供する。さらに、居酒屋で支払う席料に多
少上乗せするくらいの入場料金に設定すれば簡単に客数を伸ばすこ
とができる」
　――本業のネットビジネスへの影響は。
　「いまやライブドアの名称を知らない人は少ない。現状で一般消
費者を対象にブランドの認知度アンケートをしたら、ヤフーを超え
るかもしれない。近鉄の買収が実現すれば、試合があるたびにライ
ブドアのブランド名が露出する。すでにネットオークション（競売）
やモールなど本業のコンテンツ（情報の内容）はヤフーに近づいて
いる。同じサービスを提供していれば知名度がある方が当然、勝つ
と思う」
（聞き手は押野真也）