【8411】 予後不良かな? 【みずほFG】

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KO寸前の個人投資家――スクランブル(1)
日付 時刻:2003/05/08 01:00 文字数:856
 「株には当分、手を出しません」。茨城県に住む団体職員のIさん(22)はこりごりした口調でこ
う話す。
 ネット専業の証券会社に口座を開き、株式売買を始めたのが約1年前。経済に興味を持つ同僚
の誘いがきっかけだった。テレビドラマなどがインターネット株取引を取り上げたこともあり、「面白
そうだ」と思った。
 初めは好調だった。東証二部上場の森電機など株価10円前後の低位株でうまく値上がり益を
稼げた。だが、11月にみずほホールディングスで痛手を被る。15万円で買った数日後、12万5
000円まで急落したのだ。その後、株取引はやめたままだ。
 ネット投資家というと「空売りで稼ぐ」イメージが強いが、多数派は買いから入る。株安が長引く
と苦境は免れない。ネット専業最大手の松井証券では信用取引で借りた資金を返せない顧客が
相次ぎ、今年3月までの半年で3億円近くが焦げ付いた。
 短期売買に徹するネット投資家は、個人の株式離れが進む中では数少ない活発な市場参加者
だった。しかし、セミプロ的なデイトレーダーは別として、Iさんのように一時的なブームに乗ってネ
ット取引を始めた層は次々と市場から去りつつある。
 長期志向の個人投資家も、株式離れに歯止めがかからない。とくに最近の「ソニー・ショック」は、
「国際的に著名な銘柄を安いところで買えばほぼ確実にもうかる」といった昔ながらの個人の優良
株信仰を根底から覆した。
 千葉県在住の会社員Kさん(45)は今年、1万円を大きく下回る日経平均株価を見て買い場と判
断、10年近く遠ざかっていた株式投資を再開した。銘柄はソニー。2月に4500円で500株買った
。大手証券のセミナー資料で、燃料電池やナノテクなど成長分野のほとんどに社名が載っていた
ことも背中を押した。
 「ソニーなら……」。こうしたKさんの期待は裏切られた。当初はさらに500株買い足す予定だっ
たが、やめた。「売る勇気もない」から塩漬けにするが、株式投資からは再び身を引くという。