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げと
寄付きのリレー
東京のアナリストが
麒麟麦酒の夢をみているとき
シカゴのトレーダーは
朝もやの中でバロンズを読んでいる
ニューヨークの売方が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの買方は
ボードを染める気配値にウインクする
この地球では
いつもどこかで寄付きがはじまっている
ぼくらは寄付きをリレーするのだ
取引所から取引所へと
そうしていわば交替で市場を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くでオープニングベルが鳴ってる
それはあなたの送った注文を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ