524 :
BPNファン:
>471−474
みんなのBig Project ―――1兆円ファンドを作った男達―――
主演は稲野和利 専務取締役営業部門管掌 別名:営業の稲野
清水さん頑張ってよ!
私も天敵浅香達から5億むしりとったら
清水さん銘柄カラ売り売りするから
526 :
BPNファン:02/07/21 22:44
他社に「どうせ集めても3000億円」
「まーた 野村かぁー?」
などと馬鹿にされながらも類まれなるその力で史上初、高度経済成長期でさえバブル期でさえ
作れなかった1兆円ファンドを作った男の涙と感動の物語。
99年7月 開始
ラストシーンは2000年2月2日、運用が始まる日。
ラストシーンは感動の嵐、映画館ではテーマ曲のBIGPROJECTが完全に終わるまで誰も立たない
といったこともあった。
千と千尋を超える400億の収入を達成!
ビデオ・DVDは1000万本売れ邦画最高の大ヒットとなる。
527 :
BPNファン:02/07/21 22:51
序章
2006年ついに野村ホールディングスの会長になった
稲野和利はこれまでの人生を振り返っていた。
そうだ、新入社員の静岡支店の時、お金がなくて給料を前借りしたっけ。
富山支店長の時は支店全体をまとめるのが大変だったよなあ。
でも、一番長かったのは99年8月から00年2月までの半年だったなあ。
そして稲野は語り始めた。あの20世紀最後の長い半年間を。
528 :
熱烈清水ファン:02/07/21 22:56
>>526〜
>>527 これを読んだだけでもう泣いてしまいました
勿論清水さんも準主役で出演するんでしょう?
529 :
BPNファン:02/07/21 22:57
第一章
99年7月 野村證券営業企画部ですごいプロジェクトが進行していた。
愛称はBIG-PROJECT-NOMURA(BPN)、そう野村日本株戦略ファンドの立ち上げである。
日本の預貯金に固まった個人金融構成を変えよう。
そのためには株や債券を何も知らない人でもプロに運用を任せられリスクの分散ができる投資信託を世の中に広めることが必要だ。
日本一の野村で日本を代表する投資信託を作ろう。
その中でも日本株にフルに投資し日本の成長をお客様と共に実感しようという考えから野村日本株戦略ファンドは生まれた。
当初は他社も冷ややかな目であった。
どうせ投資信託なんてどんなに全社挙げて取り組んだって3000億円ぐらいしか集まらないだろう、
運が良くても5000億円ぐらいだ。しかし営業部トップの稲野和利の頭の中には1つのビジョンがあった。「1兆円」。
今まで誰も達成したことのない1兆円ファンドを作り、
それをきっかけにして投資信託を世の中に広め、
日本のお金の流れを間接金融から直接金融に変えよう。
稲野は野村アセットで日本一のファンドマネージャー清水孝則の元に行った。
「清水さん、こんど実はすごいプロジェクトがあるんです。これをきっかけに野村が
いや、日本の金融が変わるんです!」
「ああ、ビッグプロジェクトNか。」清水はあまり関心を示していないようだった。
そう、清水は昭和20年生まれ、既に55歳。何か新しいことをやるには少し歳を取りすぎている。
530 :
BPNファン:02/07/21 23:04
このとき清水はすでにノムラワールドスターオープン・
ノムラグローバルキャピタルオープン(愛称 ポセイドン)
を始めとして数百本のファンドを担当している。
もちろん運用の全てに関わっているわけではないが、監督、総責任なので
最終的な資産配分・買売の権利は清水が握っているのだ。
「稲野さん、気持ちは嬉しいけど今の私には無理だ。
もっと若い人も伸びてきてるしどうか、チーフはもう下ろさせてくれないか。」
注:チーフ=チーフファンドマネージャーのこと
稲野は一度はそれを了承した。
そうだ、あまり清水さんだけに頼り切っていては若手も伸びてこないし
それに清水さんの専門は為替であり、日本株は専門外だ。
531 :
清水ファン:02/07/21 23:08
あ〜清水さんカッコいい!!
ドキドキしちゃう!!
532 :
BPNファン:02/07/21 23:11
他に適任はいないかな、
稲野は適任者の選定に取り掛かり始めた。
今回は社を上げてのビッグプロジェクト、絶対に失敗は許されない。
絶対に1兆円、少なくとも8000億は集めなければ野村ホールディングスの
社長の座ははるか遠くにいってしまう。
しかし、考えれば考えるほどチーフの適任者は見当たらない。
若手もいるが、ただ調子がいいだけでリスク管理が甘かったり、
大型株はいいが、小型株については全くダメだったり、
アナリストの適性はあるが実際の売買は小心者で全然ダメだったり、
運用は立派でも愛想が悪くてマスコミ受けが悪かったり、
結局この大役は清水しかいないという結論まで1週間はかからなかった。
稲野は再び野村アセットマネジメントの本社に乗り付けた。
もちろん清水を説得するためである。
534 :
清水ファン:02/07/21 23:22
稲野さんもガタイがよくてカッコイイワ
いかにも体育会系の脳みそ筋肉よね
535 :
BPNファン :02/07/21 23:27
「清水さん、やはり考えた結果あなたしかいない。私と一緒に日本の金融を変えてくれ」
稲野は野村アセット本社の前で清水に会うなり地面に手をついた。
「専務、おやめください。こんな場所で!」
秘書や部下達は必死になって止めた。しかしそれでも稲野は土下座を止めようとはしない。
「確かに若くて元気なのはいくらでもいる。
得意分野だけできるのもいくらでもいる。
でもリスク管理をしながら世界全体の経済情勢を読み、為替の動向を読み
それを実際の運用に生かせるのは清水さん、あなたしかいない。」
長い時間が過ぎた。
清水はしゃがみこみ稲野の前に手を差し伸べた。
「専務、一緒にやりましょう。今まで私は55歳という年齢で大役は無理だと思っていました。
でも今の専務の一言で思い出しましたよ。若さ(the youth)とは年齢ではなく、
新たな挑戦を続けることができるかなんです。参照↓
http://www.funds-sp.jp/minna/kaitai/fund9908/kaitai990801.html 久しぶりにわくわくしてますよ。入りたての新人のような気分です。」
稲野は泣いた。これで第一関門は突破だ。
あとは宣伝と企画、そして末端の営業の力にかかっている。
536 :
BPNファン :02/07/21 23:32
清水の座右の銘は「パフォーマンス≡リスク管理」
今まで
債券で7年、
一任勘定で3年、
為替のチーフ・ディーラーで1年、
日本株で1年半、
アメリカ株で約5年、
アメリカでのヘッジファンドが3年半。
すべての集大成であるBPNの運用開始まであと半年、
積極的に講演会・テレビ・アナリスト説明会などに出なくてはならない。
今までは人の3倍働いていたが、これからは5倍は働かないといけないな。
清水は思った。
537 :
BPNファン :02/07/21 23:41
第二章
清水をまさに『三顧の礼』により説得した稲野は次に野村證券の宣伝部・広報部へと行った。
これでもかと言うほどCMを流さなくてはいけない。インターネットが普及した今でも
特にお金を持っている50歳以上の情報源はテレビであるからだ。
「専務、いくらなんでもそりゃ―無理ですよ。そんな不確実なことはできません。
野村のイメージを上げるのならともかくとして、ただ1つの商品の宣伝にそんなに使うなんて。」
それはそうだ。不況で安くなったとはいえテレビCM、しかもゴールデンタイム
に流すとなれば莫大なお金がかかる。そんな簡単に認めてくれるわけではない。
テレビCMは無しかほんの少しにしてあとは営業力で1兆円集めるか。
稲野は一瞬そんなことを考えたが、すぐに無理だという結論に達した。
昔のNTT株ブームだって、ウォーターフロントブームだって、結局人はブームで動くんだ。
隣の人が持っているもの、誰でも「ああ、あれね」と知っているものを買いたがるんだ。
たとえ野村のお客さんじゃなくとも持っていることが自慢できるような商品じゃないと。
そのためには知名度を上げるためにテレビCMが欠かせない。
それもBPNを全面に出したCMじゃないと。
538 :
BPNファン :02/07/21 23:52
費用対効果だ。
簡単なことだが実際にデータを見せて広告費を出してもらわないと
このプロジェクトは絵に描いた餅になってしまう。
稲野はさっそく部下に試算表を作らせた。
もし1兆円集まった場合最初の購入手数料(3%)で300億円
初年度の運用手数料(1.9%)で190億円、
2年目以降も190億円、解約時に0.3%の手数料が確定されているので30億円。
そして実際の買い付けの時に野村アセットが野村證券に払う手数料が1年で30億円とすると、
3年で990億円が野村に落ちることになります。
部下の試算は完璧である。しかし、990億円というのはいささか説得力に欠ける。
一体この数字を上げるにはどうすればいいんだろうか。
単純に1兆1000億、あるいは1兆2000億集まることにするか?
いや、それは無理だ。なんせ今だかつて1本で1兆円集めたファンドなど
日本には存在しないのだから、1兆円でも夢だと思われているのにそんな
データを持ち出したら説得力のないものになってしまう。
一体どうすれば………。稲野は悩んだ。
しかし、しばらくしてのち。
そうか!この手があったか。こんな手段を見逃していたとは!
稲野は起死回生の妙手を発見したのだ。
539 :
BPNファン :02/07/22 00:00
稲野の考えはこうだ。購入手数料と運用手数料は増やすことはできない。
しかし野村證券に払う手数料は増やすことができる。
つまりファンドにもっと頻繁に売買をさせて手数料を使わせるようにすればいいんだ。
手数料を年間30億円から80億円に上げた。
これで合計1130億、かなり説得力のある数字だ。
1130億円の粗利益ならそのその1割でも100億以上宣伝に使える。
テレビCMだけじゃなくて、じっくりと読める新聞の一面広告もたくさん必要だ。
案外70歳以上のお年寄りの場合、新聞に書いてあることは信じやすい傾向がある。
こうして2度目の訪問では企画部を認めさせた。
さあ後は営業部、営業の最前線の話を聞かなきゃいけない。
540 :
BPNファン :02/07/22 00:07
第三章
稲野は営業の最前線に話を聞き始めた。
「やはりTVCMは強いです。ああ、あの商品ですね。っていうことで
こちらから話す前に商品の名前を知ってもらえますから。」
「日経などの新聞に一面広告も出してください。やはりテレビCMで名前を知って
それだけだとその場で忘れてしまいますが、新聞は文字でじっくり読めるので
商品の特性を知ることができます。」
「やはり最初から巨大・安心感があるということをアピールしないと。」
「積極的に殖やす、ということを強調しないと。低金利と比較して
もし年率20%だったらこう、年率10%だったらこう。と具体的に示すことも必要です。」
541 :
BPNファン :02/07/22 00:18
いろいろな意見を総合して最高のCMが生まれた。
金田一風の探偵と警部との掛け合い、後に20世紀の名CMベスト10にも
選ばれたあのCMである。
「問題は超低金利なんです。」
「そう、それを何とかするためにあなたをお呼びしているのよ」
「うーん………」
「そうか、積極的に運用するなら」
愛称BigProjectN ノムラ日本株戦略ファンド
まずは目論見書をご請求ください。
そして野村の全営業所に最低ノルマと努力目標をそれぞれ設定した。
努力目標を達成すればその支店長は昇進・ボーナス、さらに支店全体で旅行・報奨金
逆に最低ノルマさえ出せなければ降格
まさに飴とムチ作戦である。
さいたま支店 ○十億
宇都宮支店 ○十億
埼玉支店 ○百○十億
新橋支店 ○百○十億
どんどん数字を割り振っていく。合計すると1兆円だ。
稲野は興奮を隠しきれなかった。
いままで誰も達成できなかった1兆円ファンドがあと数ヶ月、自分の手によって作られるんだ。
542 :
BPNファン :02/07/22 00:31
第四章
西暦2000年問題も無事クリア。
ついにミレニアムの年になった。
この時には証券界の注目はBPN一色、ちょうど日経平均も2万円を回復
ソフトバンクや光通信など野村が主幹事の大化け銘柄もでて、
市況は最高潮だった。各支店からもバブル期にも負けないぐらいの
景気のいい話が聞こえてくる。
行ける、これは行けるぞ、1兆円どころか1兆1000億、いや1兆2000億も。
稲野はさらに宣伝部に命令を出した。
「BPNのCM枠を向こう半年まで拡大、一気に攻めて攻めて攻めまくるぞ!」
「野村の全社員の給料とボーナスを臨時に増やす!
これから数ヶ月、BPNで押しまくるぞ!」
大激励の中ヘトヘトになって走り回る、お金を集め回る営業マンたち、
ついに1月末には8000億突破。
稲野が支店に行くとファンドを買うために行列ができていたこともあった。
かつてファンドを買うために行列ができることなどあったのだろうか。
大成功を確信、そして運命の日がやってくることになる。
543 :
清水ファン:02/07/22 00:34
あ〜泣ける
544 :
BPNファン :02/07/22 00:48
その日、野村證券本社の一つの大きい電光掲示板の前に
稲野、清水そして氏家社長などBPNの関係者、野村の大株主・取締役全員が
集まっていた。
9982億、9985億、9991億
その電光掲示板には全国の支店から送られてくるBPNの数字が刻まれてゆく。
「さあそろそろですよ。」
稲野は取締役・社長全員のグラスにワインを注ぎ始めた。
もちろん清水孝則もその中にいる。
9994億、9997億、9999億
どんどん数字が増えていく。そして次の瞬間
0が4つ並んだ。そしてその前には大きい1の数字が。
1兆円だ!若手の叫びの皮切りに部屋全体から大きな歓声が上がった。
「やったな、稲野君」氏家社長が語りかけてきた。
「今まで誰にもできなかったことを、他社にはどうせ3000億円だろうと言われていたのを
耐えて耐えてよくがんばった。この偉業は長く日本、いや世界の金融史に語り継がれるよ。」
稲野はすでに涙で顔が真っ赤になっていた。「どうもありがとうございます。今日という日は永久に忘れません。」
最高の男泣きであった。
そして2000年2月2日みんなの想いを乗せ運用がスタートした。
これが日本史上初、前人未到のビッグプロジェクトを大成功に導いた男達の物語である。
545 :
BPNファン :02/07/22 00:54
野村の企画部・宣伝部・営業部・支店長・支店の営業マン・
すべての者たちがひとつの目標のために頑張って1兆円ファンドを創り上げたのである。
みんなで1つの目標に対して協力することの大切さ
を教える映画として特に教育評論家から絶賛された。
特に主人公稲野和利が清水孝則に対して土下座するシーンは名シーンとされ
旧野村アセット本社の前にはいまでも修学旅行生などが見学に訪れる。