【プレピー】低価格万年筆総合 5本目【ペチット】

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598_ねん_くみ なまえ_____
オレにとってプレピーといえば偽物だ
反抗期には自分の親がバカにみえるというが、オレの親はリアルにバカだった
普通の漢字が読めない。それどころか日本語が読めない。英単語も全滅だ
ガキの頃、めずらしくファミレスでメシを食うことになったが
親父がメニューのライスorパンの意味がわからず両方持って来いとゴネた
さすがに止めようとしたオレの母親を殴って警察を呼ばれた。恥ずかしかった
ガキができたから大学中退したといってたが嘘で、なにか警察沙汰になってやめたらしい
大学中退が自慢になるぐらい筋金入りのバカだった
オレは父親みたいになりたくないから借金してでも大学に入り、きちんと卒業すると決めた
オレが大学生になるとき親父が入学祝いにはモンブランだと万年筆を買ってきた
当時は万年筆のことをなにも知らなかったが、それでもなにがモンブランかはわかる
親父が買ってきたのは実際は国産の安い万年筆だった。泣けてきた
中古なのかペン先がひんまがっていて、ガリガリした書き味。オレは金の出所をきいた
親父は親類たちがくれたオレの進学祝いをすべてパチンコに使い、残った金でこの万年筆を買ったという
親父には万年筆はなんでもモンブランだった
オレはプレピーは万年筆じゃない、偽物だといって親父を殴った
親父にケンカで勝てたのは初めてだった。親父は反省するどころか大学の入学金を盗んで失踪した
大学にすべて話して納入をギリギリまで待ってもらった
親父は夏休み前に金を使い果たして戻ってきたが、酔って駅の階段を踏み外すまで似たようなことを繰り返した
死ぬまで親父はプレピーとモンブランは違うとは認めなかった、自分のまちがいはけして認めなかった
死んでくれてうれしかった。そのことが嫌だった
社会人になってからオレは何本か万年筆を買った。どれもあの時の万年筆とは違っていた
ただ、いまだにオレはプレピーだけは買えない。その書き味は安っぽい偽物のように思えるのだ