〓質問スレッド【8】文房具板〓

このエントリーをはてなブックマークに追加
286_ねん_くみ なまえ_____
(1)油性/水性/ゲルというのは溶媒の性状による分類。

ただし、ゲルを中性と呼ぶのは科学的に正しい表現ではない。
基本的にボールペンの溶媒は油性か水性のいずれかに分類される。
ゲルインクとは所要の粘性を得るため溶媒にゲル化剤を添加したもので、
その多くが水性ではあるが一部に油性ゲルも存在する。

なお、油性BPインクの粘性が高いのはグリス状の溶媒を用いているため。
紙への吸着性を高め、リフィルの乾燥を防止するなどの目的。つまり、
ゲル化剤以前の時代のレシピが、現代でも基本的に踏襲されている。
ただし最近ではゲル化剤を添加した油性ゲルも登場している。
287_ねん_くみ なまえ_____:2006/01/10(火) 22:22:33 ID:???
(2)顔料/染料は色素の種類による分類。

顔料は微細な粒子状の色素で、紙に筆記した場合は、顔料とともに
インクに混ぜられた結合剤(接着剤のようなもの)で繊維に付着する。
乾くと元の溶媒に溶けなくなる結合材を使うことで、筆跡が耐水性となる。
たとえば墨汁は、カーボン微粒子(顔料)+膠(結合材)+水(溶媒)であり
膠が固まると水に流れなくなるため高い耐水性を示す。また、微粒子の
形をとっているため、「インク消し」など化学的色素中和にも強い傾向。
ただし、結合材が弱いと消しゴム等によって薄れることもある。

染料インクは色素分子が溶けた状態のインク。筆記後、乾燥すると繊維の
表面に吸着される。乾いても再び同系統の溶媒に曝されれば溶けて流れる。
すなわち水性染料インクのペンは水に、油性染料インクのペンは油
(多くはアルコール)によって滲んだり流れてしまうことになる。その反面、
微細な分子レベルで吸着しているので消しゴム等の影響は受けにくい。
ちなみに、ここで言う染料は、厳密に言えば「染料」でなく「着色剤」。
本来の意味での染料インクには「万年筆の古典的ブルーブラック」がある。
化学反応を利用して繊維を染め上げる(化学的に繊維の中に入り込む)
ため、いったん反応を終えれば高い耐水性を示すことになる。
288_ねん_くみ なまえ_____:2006/01/10(火) 22:23:23 ID:???