吉田と内田を見守るスレ32

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531スポーツ好きさん
「ひっ、ま、やだってえ、やあ、あっ」
「大丈夫、今多分九時半くらいだから、ほら」
 ベッドサイドにそっと腰を下ろしている目覚まし時計を指差すと吉田は急に狼狽した。
「ぜっ、全然大丈夫じゃない!」
 おそらく、吉田が危惧しているのはセックスにのめり込んで遅刻することではない。
 吉田が内田を受け入れると十中八九、直後に吉田の腰が砕けるか膝が折れるかして使い物にならなくなるのだ。三十分か一時間かはまともにベッドの上から動けないので内田が介抱することになる。
 当然その間は外出の支度などは難しく、その後気だるい体を叱咤して忙しなく動く羽目になるのを懸念しているらしい。
 だがそんな懸念など内田にはセックスの二の次の問題だった。一度済ませないことには充足しないし、なにより組み敷いている男をどうにかしたいという衝動は荒れ狂う台風のようで静まれと叫ぼうとも最早静まるものではない。
 繰り返すが、男の欲というものはそういうものだ。俺だけではない、と内田は心のなかで念を押した。
「やぁ、やめてぇ、って、ほんとっ、じかん、んっ」
「大丈夫。俺も手伝う」
 それでもなかなか抵抗をやめないので唇で黙らせるという古典的な方法を使う。拒否の声ばかりを上げる唇の奥にある歯と歯の間に舌を侵入させた。噛まれる心配はない。
 熱く湿った内田の舌をうっかり噛まないようにと吉田が拒否の声を上げるのをすぐにでも止めるだろうと見越しての行動だ。結局吉田はそのとおりにして、挙句おずおずと差し出した舌を絡めた。
 しばらく夢中になって貪り合っていたが後孔からの快楽が絶えたせいか吉田の眉が切なく寄ったのを見て口を解放した。嚥下しきれなかった僅かな唾液が吉田の顎を伝う。うっとりと細められた瞳は涙で滲んでいる。
 ベッドの上で淫靡に転がる恋人の腰を浮かせると晒された後孔にたぎった陰茎を押し当て、そのまま中に沈めていく。時間を掛けて埋め込んでいくのが好きなのでゆっくりと焦らしながら先へ進めていく。
 吉田は悲鳴を上げる余裕すらなく熱のこもった吐息をつくだけの淫らな生き物に成り下がっていた。
「は、あ、あ、」
 根本まで突き刺したところで、あらためて吉田を見た。浮き出た喉仏を押し上げながら吐息だけで喘ぐ姿は扇情的だ。おまけに内壁はしっとりとして昂ぶりを程よく締め付けている。