ジョニ子と愉快な仲間達の華麗ないちにち 6.1日目
「大王様!よくぞご無事でお戻りくださいました!」
執事イカ以下大勢の家臣が平伏し、大王イカを出迎える。
「現在のところ、大西洋に紛糾は起きていないのだな?」
「はい。パトロールを強化、常時出動できるように軍備を固めてあります」
「苦労をかけた。スケーターズの皆様には寝室を用意するように」
大王イカは執務室にレイチェルを招き入れ、紅茶でもてなす。
「参謀の御嬢さん、我々が思っているより太平洋の荒くれ小僧はオットリ屋さんなのかな?」
「でなきゃなめてかかっているのでしょう。しかしさすがにもう大王の脱出には気づいているはず」
「そろそろしかけてくるだろうか?」
「私なら一度退きます。大王陛下が戻り、厳重警戒態勢下にある大西洋に攻め込むなんて自殺行為だわ」
紅茶を飲みほし、レイチェルは一言付け加えた。
「私なら、ですが」
「つまりあらゆる事態を想定すべき、と」
レイチェルは黙ってうなずいた。