ジョニ子と愉快な仲間達の華麗ないちにち 6.1日目
「まず、伴の者を連れず忍んで行動したのは、太平洋の荒くれ者どもを刺激したくなかったから。
そして、そこまでして太平洋を目指したのは、恩師の墓参りをしたかったからだ。
海底に沈む、大王イカの遺体を、君たちはもう見つけたかな?」
「あ、はい。僕らは難破船探索の際に、ちょっとだけ」
チャッキーは答えると、大王イカは深くうなずいた。
「彼は長きにわたって太平洋をおさめた、真の大王と呼ぶにふさわしい大王イカだった。
私もやんちゃな少年時代から、ずいぶんお世話になったものだよ。穏やかだが威厳があり、
知恵と慈愛に満ちたお方だった―――訃報を耳にした時、すぐかけつけたかったが、
地元が少々もめていてね。つい後回しになっていたのだよ。そっちが落ち着いたし、
息子も親離れの兆しを見せてくれている今がよい頃合いか、とひっそり詣でたのだが・・・
この界隈にのさばる悪党どもに見つかってしまった」
そりゃアンタやたらでけえし見つかるわ、とつっこみたいPチャンだったが、さすがに空気を読んでここは黙っていた。