(・∀・) 国内サッカー戦術・布陣ヲチスレ (・∀・) 3

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365スポーツ好きさん
おぷた再登場
たまちゃんのご依頼により、今日は鹿島分析です

■鹿島アントラーズ■
鹿島アントラーズは、パス回しと守備のチームです
基本布陣は4−4−2。ですがセレーゾは相手に応じて布陣を変えてくるタイプの監督であり、怪我人が多かったこともあって「基本布陣」と言えるものを出すことはできません。
今回は2ndに向けての分析であることをふまえて、2ndの鹿島っぽい布陣で分析をおこないます。

    FJ 深井
  本山    小笠原
    中田 フェル
新井場 大岩 金古 内田or名良橋
     曽ヶ端

移籍した平瀬は省きました。また各所で出場時間が足りなくなるため、以下のような改組を行います

内田&名良橋……パス結果を合計
深井……パス結果を2倍
中田……パス結果を2倍

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●プレーエリア分析
トップ5       トップ10     トップ15
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両サイドの深い位置にポイントが作られているのが特徴です
どちらかというと、左サイド偏重のようですね。

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●最初の着眼点
まずは例によって、パス&ゴール分析を見ていきましょう
http://www.j-league.or.jp/2004opta/keikou/07.html
http://www.j-league.or.jp/2004opta/keikou/08.html

ロングパスが多いのが大きな特徴です
セットプレーでのゴールは少な目で、ヘッドも少な目。
ゴールまでの平均時間は比較的長く、多くのパスをつないでゴールへ向かいます。

また、このチームの非常に大きな特徴は、FWのゴールが極端に少ないことです
全12ゴール中、FWのゴールは0か1だったと思います。
そのぶんを誰が取っているのかというと、MFです
小笠原、本山、フェルナンド、増田らがゴールを重ねています
これらのデータを前提に、分析を進めていきましょう
366スポーツ好きさん:04/10/21 15:50:22 ID:fuNKtYXv
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●DFからのパス
ポジション別のパス話をする前に、まずは全体像を。
見てのとおり、鹿島は完全に小笠原システムです
ほとんどのパスが小笠原を経由し、最終的に小笠原へ帰っていきます
もうひとつのパス中継ポイントである中田浩二がいればもう少し違うのでしょうが、
1st前半は負傷療養中だったため目に見える形(表の色)では反映されていません。
ちなみに新井場も後方の中継ポイントとして機能するのですが、新井場からは前線に吐き出されるボールが少なく、
ほとんどが小笠原へ向かうため、「小笠原に行く前のワンクッション」としての位置づけが大きいようです

新井場(左SB) → ◎小笠原(OMF)、◎中田(DMF)、大岩、本山(OMF)、深井(FW) 
              (新井場はボランチでもプレーしたため数値は参考)
大岩(左CB) → ◎新井場、金古、中田、小笠原、フェルナンド(DMF)
金古(右CB) → ◎名良橋&内田、大岩、中田、新井場、小笠原
内田or名良橋(右SB) → 金古、小笠原、本山、フェルナンド

みごとに全員のパス結果に小笠原が顔を出してきます
つまり鹿島DFラインのタスクは
【CB】
・まず小笠原を捜し、パスを出す
・小笠原にパスが出せない場合は、正面のボランチか同サイドのSBに出す

【SB】
・なにはともあれ小笠原にパスを出す
・駄目な場合は同サイドのCBに戻すか、ボランチに渡す
・自分が駆け上がっている場合はFWや本山とも絡んでみる

ということになります。


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●ボランチからのパス
CBやSBから低い位置でボールを預かったボランチのパス結果です

中田(DMF) → ◎新井場、◎小笠原(OMF)、フェルナンド、内田&奈良橋、大岩、金古
フェルナンド(DMF) → 小笠原(OMF)、新井場、中田、奈良橋&内田、フェルナンド、金古

ボランチは小笠原にボールを出すほか、溜をつくって、駆け上がるサイドにもボールを供給します。
特に中田のパスターミナルとしての機能性は抜群です。彼がフル出場するようになれば、鹿島のパス回しはずいぶんスムーズになるでしょう。
367スポーツ好きさん:04/10/21 15:53:45 ID:fuNKtYXv
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●OMFからの展開

小笠原(OMF) → ◎新井場、中田、フェルナンド、本山、奈良橋&内田、本山、FJ(FW)
本山(OMF) → 小笠原、新井場、深井(FW)、FJ(FW)

全員からボールを受け取った小笠原は、溜を作りつつサイドに渡すか、ボランチに出して再展開を狙います。狙いはサイドの高い位置です。
そのあいだに小笠原は高い位置へと移動するものと思われます。

本山はおもに新井場や小笠原からのパスを受け取り、左サイドで最終局面に挑みます。他の選手と違ってパスランキング上位にFWがくるのも特徴です。

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●FWからの“展開”(!)
なにはともあれパス結果を見てください。FWからのパス本数が少ないので、ランク入りの敷居を下げて話をしますが……

ファビオジュニオール(FW) → 小笠原、本山、新井場、深井、内田&奈良橋
深井(FW) → 本山、フェルナンド、ファビオジュニオール

もう、いきなりパス本数の上位に出てくるのが中盤orSBばかりです。FWへのパスは中位に沈んでいます。
つまり、FWどうしのコンビネーションでゴールを陥れようという意識がないのです。
かといって単独突破をしているのかと言えば、そうでもありません
(FJ:受け206-181出しでロス数26、深井:受け228-166出しでロス数62 レッズFWと比べてください)
つまりFWはサイドに開いてボールを受け、中に開けたスペースへ走り込むMFにラストパスを送るという構図が見えてきます。
つまり鹿島のボール回しは、図にするとこうなっているわけです



 SB───→DMF─→高位置のSB─┐
↑│        ↓    ↑.       ↓
│└──→小笠原.──┤     【中盤の誰かがフィニッシュ!(含小笠原)】
CB───→       ↓..        ↑
              本山&FW───┘
368スポーツ好きさん:04/10/21 15:59:08 ID:fuNKtYXv
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●総括
鹿島のFWが点を取らないと言うことは、データからも分析からもわかっています
では 「 なぜ 」 点を取らないか。なぜ最終局面でパスが選択されているのかが最大の疑問だと思います
それは上の分析とプレーエリアを参照すれば、あるていど想像することができます。つまりこういう攻撃の流れです

1.奪取したボールはサイド、DMFを経由しつつ小笠原へ
2.小笠原は駆け上がったサイドか、サイドに流れたツートップのどちらかにパスを出す
3.FWとSB、OMFの連携でボールキープ、中盤の押し上げを待つ
4.後方からシュートレンジまで上がってきたMFにパスを出し、シュート

こうしてFWがサイドに流れるため、ポジションがゴールから遠くなり、シュートを撃たなくなるため点を決めなくなるというわけなのでしょう。

つまり鹿島のFWに求められるのは、ドリブラータイプでも動き出しタイプでも身体を張るタイプでもすべて同じ
「サイドの高い位置でボールをキープし、押し上げをうながす能力」なわけです。


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●鹿島アントラーズの現状とその対策
2ndから鈴木隆行が帰国、FWバロンを獲得など動きの多かった鹿島。最近の布陣はこんな感じです

        鈴木   バロン

     本山          小笠原

         中田  フェルナンド

  新井場  大岩    岩政   内田 

          曽ケ端

(「鹿などblog」さんから拝借しました)

高さのある鈴木隆行が加わったことで、1stほど極端な「点を取るのはMFの仕事」という傾向はなくなっています
ですが本質的には同じチームですので、同様の攻略作戦を立ててしまってもいいでしょう。

・サイドでの守備に人数をかけすぎない(恐いのは突破ではなくパス ただし左の本山には要注意)
・バイタルエリアをきっちり埋め、MFの飛び出しに細心の注意を払う
・小笠原にはマンマークを付けても良い

・キープ力のある前線とスピード&飛び出し型のFWを用意し、
  守備ラインを随時下げさせて、疲労の蓄積と攻撃の分断を狙う


以上、鹿編でしたー